7-99【精霊エルミナの幻晶2】
◇精霊エルミナの
扉をくまなく調べるジル。
そうジルに言ったけれど、ジルは自分で調べると言って聞かなかった。
あるのよね、そう言うプライド的な何かが。
それが理解できるから、私は周囲警戒をして、迫ってくる魔物を退治していた。
パシュン――!ドッ!!
パシュン――!ドスッ!
『魔力の凝固が上手くなりましたね。これならば、氷だけでなく、通常魔力矢も作り出せるでしょう……それと、名前はどうしますか?』
「な、名前は別にいいわよ……そこに
ウィズが名付けた【
私にそんな名前を付ける
『正式には魔法ではありませんが。それでも、名前を言葉にするのは重要と、ご主人様も言っていました。発動が早くなるのだとか』
「ほ、本当?」
私は苦笑する。
能力のウィズが、そんな精神論を言うのが何だかおかしかった。
『本当です。ご主人様は、技の名前を叫ぶことで発動のタイミングを早める事に成功しています、ほんのコンマですが』
意味があるのだろうかと
「じゃあ、この弓にも名前が欲しいかな……氷の弓だし、アイスアロー?」
『――安直ですね』
【
『失礼な。これはご主人様リスペクト……ミーティアもご主人様と一緒がいいのでしょう?ウィズが
「――なっ!!そ、そ、そ、そう言う意味じゃないからっ!!」
『へぇ、どういう意味なのかしらぁぁぁ??どうせエッチな事でも想像したんでしょう?』
まるでアイズさんのように、ウィズが三ヶ月前の私の汚点を
だって!体内に異物って!……魔力が流れ込むって!!誰だって変に勘ぐっちゃうわよ!
『それは貴女がスケベだからです』
急に
「くぅっ!!はぁ……もういいです……」
きっと、何を言っても捲られるんだろう。
だから
『スケベでも?』
「違うわよっ!!もうっ!もーーーっ!」
こうやって、私をからかう。
そんなウィズの声も、もう直ぐ聞こえなくなるのね。
「お嬢様。調べが終わりました、中に入れます……行きましょう……お嬢様、どうしました?」
顔の赤い私に、ジルが心配そうに言う。
どうしよう、ジルにまでそう思われていたら……延いては、ミオにまでそう思われていたら、私は平常じゃいられないかもしれない。
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