5-16【ポラの町の夜2】
◇ポラの町の夜2◇
【ミリガー】と呼ばれる、
イリアは、俺の持つソレに白い
「あ――!」
フラッシュバック――この光景に、俺は前世の思い出が
(これ……
この
そしてこの食い方……だよなぁ。
完全に夏の定番、
わぁ……もう混乱するがな。
見た目は
「どうぞ?美味しいですよ?」
「う、うん。いただくよ」
と、なると……味はどう変わる?塩レモンのような味か?
俺は混乱しそうな頭で、それでもとりあえず
シャクッ――!モグモグ……
「こ、これは……!!」
程よい
しかし先程のような
「……いや、これって、
美味い――美味いのだが……見た目は
その変化した味は……
ちょっと待ってくれないか。
脳がバグりそうなんだが。
「……どうですか?」
(りんご?不思議だけど、かわいいかも……)
イリアが首を
多分だけど、俺のリアクションがおかしいんだよな。
「うん、うまいよ……この町の名産品なんだっけ?」
俺は自分が
美味いのは事実だ……ただ、転生者である事で頭がおかしくなりそうなだけで。
クラウ姉さんとかにも試して欲しいものだよ。
「はい、年中採れるものですよ。でもこの町の人たちは、
見た目は
この【ミリガー】は味が
うちの村で育てている【メット】とか【ボォム】のような、日本で売ってる一般的な野菜もあるんだ。
「へぇ、それじゃあ……この町でしか食えないのかコレ……あむっ」
シャク――
「視覚と味覚と行動で、全部バラバラの食べ物の情報だからさ……めちゃくちゃ混乱したよ」
「そうなんですか?」
イリアは
この世界の人からすれば、これが普通なんだもんな。
「そうなんだよ。一番先に見た目で“甘い”って思い込んでいたからさ、
「れもん?」
聞きなれない言葉に、イリアは聞き返す。
「――あ」
やっべ。
「あーごめん、図鑑で見たんだよ。確か……東の国だったかなぁ?」
と、とりあえず
油断するとこれだよ。
まさか食い物で転生者のボロを出しちまうとは。
「わぁ、そうなんですね!ミオは物知りですから、勉強になります!」
そうかい。それはよかったよ。
「ところでイリア……あのさ」
俺は、地味~に気になっていた事を聞くことにした。
「なんでしょうか?」
「いや……筋肉痛は大丈夫か?」
「――え」
思い出したかのように、イリアの表情が
分かる……分かるよイリア。
すっかり忘れててもさ、言われると
「……あはは、それじゃあ戻るか。部屋まで連れてってやるからさっ」
笑顔まで固くなっちゃって……思い出させてすまん。
でも、話題を
「す、すみません……」
プルプルと震え始め、顔を青くするイリア。
そんな彼女を、俺は部屋に連れていくのだった。
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