5-10【譲渡2】
◇
今回の依頼サポートに出る前日に、俺は部屋で一人で
ミーティアは
普通の青少年なら、「やっほー自由だーあっはっはー」って言って一人を
え?
それに……誰もいない時でないと、転生者としての行動をしない様にしていたからな。
スゥゥゥゥ――
『……ふぅ~。集中……集中だ……』
ベッドの上で目を閉じて集中する。
以前もやってるから、導入だけは簡単だ。
真っ暗な空間に……俺一人。
少し待つと、小さな光が
この光が――能力だ。
俺がいくつも持っていると言う、
コイツ等さ、俺の能力のクセに
【
【カラドボルグ】以外は能力だな。
ポンコツ女神いわく、その全てはレベル99の最上限……初心者には無理無理。
俺だって、
なら、目指す所は……新たな能力だ。
しかもチート能力ではない……この世界の人間なら誰でも使える様なもの、イリアに渡すならそれがいいはずだ。
『……』
【
それもきっと、この中にはあるはずなんだ。
蛍のように揺らめく能力の光……大きく
それ以外の小さな光……消え入りそうな程に小さな光に、俺は手を伸ばす。
『これだっ』
小さな光は
『――痛ってっ!!』
目を見開いて、俺は左胸を押さえる。
心臓が……爆発するかと思った……なんだよ急に。
ああ、もしかして……本来ないはずの物を、無理矢理引っ張り出したからか?
そのせいで心臓が痛くなったのかも。
子供の身体には
『へへ……でも、これでいいさ……』
あとは【
そしてこの時、俺は気付かなかったんだ。
イリアの為に無理矢理
◇
回想終了だ。
さて、続けようとしようか。
「私に、力を?」
俺の話を聞いて、イリアがマジで
ん~いや、
「ああ。魔法って言うか能力って言うか……とにかく、使いこなせるかはイリア次第だぞ?」
「いや、でも……え?あの……はぃ?」
力を
だけど、何も言わないで納得してくれないか?
「……ミオは――どうして、そこまでしてくれるのですか?」
おお……それを考えていたのか。
確かに、変だよな。
自分にそこまでしてくれるだなんて、思わないよ……普通。
でも……
「――どうしてって……う~ん、どうしてだろうな」
俺は笑う。
笑うしか出来ん。
「だ、だろうなっ……て、分からないのですか?」
分かんないんだよね……
俺はただ、頑張る人の力になりたい……そんな自分が好きなんだと思う。
イリアは迷惑だって思うかもしれないけどさ、でも……タダでもらえるものだと思って、受け入れてくれよ。
「あはは、分かんないわ。
俺は問答無用で押し付けるつもりでいる。
「え、ちょっ……ミオ!?」
「いいからいいからっ」
俺は
さぁ始めようか――【
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