第2話  【秋のピクニック 其の2】

 せかへい 外伝1



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第2話

 【秋のピクニック 其の2】




 パトはモンスターと対峙する。しかし、武器を持っているわけではない。




 だが、パトは自分から前に出て、モンスターの目を惹きつけた。それは後ろにいるエスとルンバに攻撃させないためだ。




 モンスターは一匹。うさぎのような見た目をしている。頭にあるツノで突進してくると聞いたことがある。




 パトはモンスターを惹きつけると走り出した。




 モンスターはパトを標的にすると、パト目掛けて頭突きを仕掛けてきた。




 しかし、パトはギリギリのところでモンスターの攻撃を躱す。パトは転けてその場で倒れてしまう。




 モンスターはツノが近くにあった木に刺さるが、すぐに抜け出して再びパトを標的にした。




「パトーー!!」




 エスとルンバが叫ぶ。それと同時にモンスターがパト目掛けて頭突きを仕掛ける。




 ここまでか、そう思った時、




 モンスターに炎の弾が直撃した。




「ふぅ、危なかった」




 そこに現れたのはアマルの父親であり、村の警備をしているマティルであった。

 マティルは授業中に姿を消した三人を探しにきていたのだ。




 こうしてモンスターによる被害は起こらず、無事に帰ることができた。






「そんなこともあったな〜」




 パト達は懐かしむ。




 木には昔モンスターが突っ込んだ跡が残っていた。しかし、昔よりも其の傷の位置が低く感じる。これはパト達が成長したからだろうか。




「お、着いたな」




 紅葉樹の森の先には小さな湖がある。赤や黄色の木に囲まれ、青いはずの湖は紅く揺れる。




 パト達は湖に映る自分たちの姿を見ながら、昔の姿を思い出しながら今の姿を比べる。




 成長した姿は昔に比べてどうなっているのか。良くなったことも悪くなったこともあるだろう。しかし、それを全て合わせて自分という存在になるのだ。




「んじゃ、そろそろ帰るか」




 パトがそう良い二人を連れて帰る。




「ああ、そうだな。俺このあと夜勤だし」




 エスはこの後の予定を言う。




 ほんのちょっとの休憩時間。しかし、それが彼らに休息を与えてくれた。そして過去に一瞬でも戻してくれた。




「そういえば、パトはこの後何をするんだ」




 ルンバはパトに聞く。




「ん、ああ、エリスにちょっと呼ばれててな。手伝って欲しいことがあるんだと」




 エスは頭の後ろで腕を組む。




「またあいつ帰ってきてるのか」




「ああ」




「本当に王国の学校の学生か?」




「でも、エリスの凄さは知ってるだろ」




「ま、そうなんだけどよぉ」




 彼らは村に着いた。





終わり







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る