非日常の正体

白銀 来季

導入 ―非日常とは

 初めまして。

 

 私は物語が大好きで、それが講じて自分でも小説を書き始めた、そんな人間です。


 そんな、小説家と名乗るには程遠い私ですが、それでもこういった活動を続けていると、こんな物語を作りたいと妄想することがよくあるものです。


 いや、むしろそんなフィクションの中に入り込んで、私だけの物語を味わいたいと、そのように考えることすらあることでしょう。そんな非日常は、その名の通り、日常には基本的に存在しないわけではありますが。


 しかし、私たちは時折、ふとした瞬間に非日常に迷い込むことがあります。


 そんなことない?


 今、そう思いましたね。それこそ、物語的な文章だと、そう感じましたよね。


 それは、正解です。なぜなら、私たちは知らないうちに非日常に溶け込むのですから。それがあたかも日の常であるかのように。


 人間の適応能力って、すごいですよね。


 私が昔聞いた話では、どんなに過酷な環境でも、死にさえ直結しなければ、人間はものの一ヶ月もあれば等しくそれを受け入れ、逞しく生きていくようです。


 さて、前置きが長くなりましたが、これからお話するのは、私が小学校六年生の時に体験したお話です。


 このお話は、私にとって衝撃的な出来事であったと共に、非常にショッキングな出来事でもありました。そのため、その時本当にあったこと、いや、正確には私があったと思ったことを、幼いながらノートに書き留めたのです。


 そのノートは、今はもうどこにあるかはわかりません。しかし、あの時の記憶は、文字となって今の今まで私の頭を離れません。


 そんな、私の人生で、恐らく最も不思議な体験となるお話、それをここに残すこととしましょう。


 それでは、後ほど。

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