受刑代行サービスです。

南雲

第1話

「お前は助かれ。」

男は息も絶え絶えになりながら私を見つめる。男を包丁を持って追い詰めている黒いコートを着た誰かには私が見えていないらしい。

私はここから動けないのだから助かるも何も運だろう。じっと誰か分からない者を見つめた。

そして男が息絶えたことを確認した誰かは泣きながら逃げ出した。

私は動けないまま男と一緒に朽ちた。

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