コーヒー

あの匂いであなたを思い出してしまう。


そんなフレーズが人気な中で


私の中では匂いじゃなくてあの味。


苦いコーヒーの味。

それが君だった。


最初は苦手だったけど

君に近づこうとして飲んだコーヒーは

だんだん苦味を薄れさせた。


君効果かな。


次第には美味しいって感じちゃうんだから。


君と繋がれる理由にしがみついて無理に飲んでたコーヒーは

今は君と繋がる唯一の方法。


コーヒーででしか話題をもてない私たちに

未来なんてない。

一緒にいる未来はない。


コーヒーに浮かぶ私の影は

惨めさの象徴。


毎日飲むたびに君を思い出しちゃうんだから。


いつか来るとはわかってても

君がコーヒーを淹れる相手は

君の淹れたコーヒーに映る影は

私じゃない。

他の誰か。


君の横に立てる人。

私みたいに君の後ろになんていない人。

いっそ君の前になんか立っちゃってる人かも。


それでもどうしても

コーヒーは君だよ。

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