テンプレワールド

のなめ

第1話 異世界転生

 キン キン キン キン キン キン シュパーーーン。

 首が飛んだ。


 キン キン キン キン キン キン グサッ。

 胸に刺さった。


 キン キン キン キン キン キン オノマトペ

 ――いったい何が?




 え、なに?

 わかんないの?

 マジで?

 ちょっと想像力が足りないんじゃないの?

 

 まず、激しく刃を交わしてるよね。 

 そうそう、行ったり来たり、やればできるじゃん、きみ。

 なんか予定調和みたいな合わせ方だけど、そんなもんだから実際。

 ただね、もっとしっかり柄のとこ持とうよ、こうやってギュっと。

 うん、そんな感じ。

 あ、脇もしめとこう、ちょっと匂うし。

 

 はい、向こうは歯ぎしりで悔しがってるよ。

 ほら見て、うわっ、ぶっさー、きみの知り合いそっくりでいい感じじゃん。

 こっちはあくまでクールにね、汗かいてるのは何か違うでしょ?

 これ全部、きみがやってんだからさ。

 そいで、最後にサっとかわして、オノマトペだよ。




 ――異世界……え、異世界ってそういうことじゃないの?

 馬鹿だ、精神的に向上心のない僕は馬鹿だ。

 そして、僕は転生した。

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