薄幸な公爵令嬢(病弱)に、残りの人生を託されまして
夕鷺かのう/ビーズログ文庫
プロローグ
『立てば
それがわたくし、――クレハ・メイベルへの、世間でのもっぱらの評価だった。
無理もない。
呼吸をすれば
病弱すぎて、他家に
今、――その十六の誕生日を目前にして、わたくしの命は
「
苦しい。気管支に空気がガリガリと
「……お願い」
だからわたくしは強く願う。
―― お願い。誰か。
この魔力を使いこなせるほど、
どうかどうか。
声が届いたならば、わたくしの代わりに、『クレハ・メイベル』として生きてください。
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