第85話 武闘大会 第2回戦
試合が終わり、待機場所に戻ると師匠が待っていた。
「やっぱりダグラスってのは小僧だったか!!!」
「師匠!!!お久しぶりです!!!!でも小僧はやめてくださいよ!」
「じゃあダグラス!!色々活躍は聞いてる!強くなったな!!!」
「分かった!!俺は師匠の教え子だからな!!!」
「そりゃあ鼻が高い!!!」
「ところで、なんでこの大会に?」
「ああ、実はファビオからダグラスが出るって聞いてな!!久しぶりに戦おうと思って!!ガハハハ!!」
「今度は師匠にも負けないよ!」
「ほう?じゃあ俺と当たるまで負けるなよ?」
「もちろんです!!」
1回戦の相手を見る限り、1人だけ圧倒的に強いなどという人はいないようだ。
2回戦は明日なので、今日はもうこれで終わりだ。
観戦をしてもいいのだが、それよりも”鑑定&略奪”とスキルの熟練度上げに専念したいので一度ギルドにクエスト受注に向かった。
「あ、ダグラス君!!!2回戦出場おめでとう!!」
「どうしてそれを?」
「私のユニークスキルで!…って言っても風に声を載せたり逆に聞いたりくらいしかできないけどね。」
「それでも十分すごいよ!!」
「そう?ありがとう!」
それから明日に差し支えない程度に魔物と戦い、屋敷に帰って寝た。
翌朝、俺は闘技場に向かう途中に師匠と会い、話ながら歩いていった。
彼の武闘大会参加は2回目で、20歳の時に優勝したらしい。
「着いた!決勝まで当たらなかったらいいな!!!」
「ああ!!!じゃあまた!」
師匠と別れ、少し離れたところに並んだ。
「お前ら元気かぁーーー!!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「8000人中残ったのは160人!!第2回戦では20人1ブロックでそれぞれ8人まで減らせ!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「これで勝ち抜けばベスト64入りか…頑張ろう!」
俺のブロックは師匠と違うので良かった。
1試合目だったので、この後すぐに試合だ。
『なるべく弱い人から減らすか。』
「それでは第1試合の選手は入場してください!!」
会場のアナウンスに従って俺は入場した。
「ここには昨日怒涛の勢いで30人ほどを倒したダグラス選手がいます。その活躍に期待です。」
「新しく入った情報によると、…なっ!?なんと、彼はカイル様の弟子ということです!!!」
それがアナウンスされた瞬間会場にどよめきが広がった。
「なんと!!あの強さは師匠譲りだったんですね!!」
このアナウンスで余計に俺への注目度が増えてしまった。
狙われるかもしれないが、すべて迎え撃とう。
「それでは準備が整いました。第1戦、始め!!」
俺は反撃の準備を整えたが、誰一人として向かってこなかった。
『…あれ?さっきの敵視はどこに行ったんだ?』
師匠の弟子という事実を知り、敬遠しているのだろうか?
誰も来ないので、こちらから仕掛けることにした。
まずは運で1回戦を勝ち上がったと思われる弱い人を倒そうと思ったのだが、そのような人は開始早々他の参加者に倒された。
『おっ!あの人強いな…』
武闘家の服を着た細い男性だ。
武器を持っていないので狙われたようだが、体術で相手を次々倒していた。
「おーっと!!体術の達人ワンが怒涛の勢いで敵を倒しているー!!!」
「彼は東の国で有名な”カンフー”という武術の師範だそうです!!」
「これはかなりの使い手ですね…」
間近で見るとその凄みがよくわかる。
彼は攻撃をいなす際、全くといって良いほど無駄な動きがない。
非常に洗練された動きで相手を翻弄している。
『…俺も負けてられないな!』
俺は敵の武器ごと片手剣で豪快に斬り裂いていった。
「試合終了ー!!!!」
『ふぅ…4人しか倒せなかったな。でもひとまず3回戦出場が決定して良かった。』
その後、師匠の試合を観戦することにした。
師匠は俺よりももっと豪快に相手の防具や武器を壊しながらばたばたと敵を倒した。
その存在感は会場全体の目を釘付けにしていた。
『やっぱりすごいな…』
子供の頃憧れであった師匠の姿は今もなお継続していたので嬉しかった。
「おうダグラス、俺の試合見てたのか?」
「ああ。やっぱりすごいな!」
「照れるじゃねーか!ワッハッハッハ!!!」
その後師匠と話しながら屋敷に帰った。
明日はトーナメントを決めるくじ引きだ。
師匠と最初の方に当たらないことを願いながら眠りについた。
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