第81話 魔法研究
それから武技スキルの熟練度上げと”鑑定&略奪”をし続けて1か月強が経った。
”槍”、”弓”スキルは”限界突破”してLv.1になり、獲得できる魔物スキルは全てSランクになった。
『周回してる時から思ってたけど、もっと便利に魔法使えないかな…?』
俺の武技戦闘スタイルは対個体なので、常に1対1の状況を作るために結界魔法や氷属性魔法、空間魔法などを同時行使しているのだ。
『まとめて1つの魔法にできないか…?』
魔法の理解を深めてもっと便利な魔法を習得したい。
俺は少し離れた山の頂上に”転移”し、結界魔法で研究用の空間を作った。
「よし、始めるか!!」
まずは敵の足止めをする際に使う魔法だ。
火・水・風・土・光・闇・氷・無属性それぞれと合成して行使してみると、光・闇・無を除く5属性でファイヤーフィールド・ウォーターフィールド…という魔法を習得した。
効果はそれぞれの属性を帯びた結界で、対照的な魔法を行使することで結界を解除できるようだ。
『結界解除が簡単なのは難点だけど…攻撃にも使えそうだな。』
例えば寒冷地の魔物はだいたい氷属性を帯びた魔物である。
なので、”火フィールド”を展開してその中に放置しておくだけで勝手に倒せるだろう。
『…周回が楽になりそうだな。』
次に、武器に魔法属性を重ねる攻撃だ。
”付与魔法”は基本1つの武器に1つの属性しか付与できないのでとても不便なのだ。
『魔法剣士って憧れるよな…』
試しに片手剣の素振りに火属性を付与してみた。
素振りと付与を同時にするのはまるで左右両方の手で別々の文字を書いている感じで、思ったよりも難しかった。
数時間後、ついに慣れて火属性を帯びた攻撃をすることができた。
すると、「ピロン!」という音が鳴った。
ステータスを見てみると、”魔法武闘F”を習得していた。
「おっ!!よっしゃー!!!」
魔法剣士という名称ではないものの、全武器で各魔法属性を付与して攻撃できるようになった。
また、これを習得したおかげか攻撃が左右両方の手で別々の文字を書いている感じだったのが、左右両方の手で同じ文字を書いているくらいに難易度が下がった。
『これ結構疲れるから正直簡単になってくれてよかった…』
これで魔法攻撃しか通用しない相手に対しても武器でダメージを与えられるようになったはずだ。
『ふぅ…少し疲れたから一旦休憩するか。』
気が付けば昼を過ぎていたので俺は遅い昼食をとった。
この世界の料理は前世と名称や材料が違うものの、だいたい同じ味がするので幸いだ。
『そろそろ再開するか!!』
俺は魔法剣士の”憧れ”つながりで俺は二刀流になれないか試した。
両手で片手剣を持ち、数十分素振りをすると「ピロン!」と音が鳴り、”二刀流F”を習得した。
「おぉ!!思ったより簡単に習得できたな!!」
師匠の訓練から左右両方の手で武器を扱えるように日頃から練習している成果だろう。
俺はひそかに師匠に感謝の念を送った。
その後色々実験を繰り返したものの、大きな収穫を得られず帰宅した。
『午前はうまくいってたけどやっぱり難しいなぁ…』
これ以上研究しても戦闘の手数を増やせる気がしないので、習得しているスキルの熟練度を上げた方がいいだろう。
山岳都市の魔物から得られるものはもうないので、拠点を変えるべきだろう。
『次はどこを拠点にしようかな…明日テレサに相談するか。』
今日は研究で疲れていたようで、泥のように眠った。
翌朝、俺は起きてすぐギルドに向かった。
「あ、ダグラス君おはよう!!」
「おはよう。少し相談があるんだがいいか?」
「もちろん!!奥の部屋に来て!!」
俺は次の拠点のおすすめを尋ねた。
「うーん…そうだなぁ…武闘国家なんてどう?」
「どういう場所なんだ?」
「武闘家が集まる場所だよ!!実は1ヶ月後に武闘大会があるんだけど参加してみたら?」
「武闘大会か…いいね!!そこにしよう!!」
俺の実力がどこまで通用するのか気になったのだ。
「それで、そろそろ拠点を変えようと思うんだが…いいか?」
「分かった!でも引継ぎの仕事が残ってるから明後日でもいいかな?」
「ああ。」
ひとまず今日中に拠点を構えようと思い、俺は剣術都市まで出かけた。
そこは何かの武技の達人と思われる人ばかりいて、強者の雰囲気が漂っていた。
『…みんな武闘大会に参加するんだよな。』
俺はピリピリした雰囲気に若干気圧された。
しかし、師匠や魔族のそれに比べたら大したことないので堂々と街を歩いた。
その後商会で屋敷1つと経営関係者3人、メイド7人、戦闘要員30人を購入した。
30人はもと冒険者や傭兵で、武闘都市で生計を立てていたらしく相当強そうだ。
無事目的を果たせてよかった。
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