第79話 秘境

四神の問題が解決したので、山岳都市の屋敷の皆と少し話をしてから鉱山都市に帰った。


皆大きな怪我をしたものの、冒険者を辞めたいという人は1人も出なかったので良かった。




「あ、ダグラス君!今日はどうしたの?」




「山岳都市に行ってた。非常事態が起きてたんだ。」




「大丈夫だった!?」




「ああ。もう解決した。」




「そっか…よかった。」




「それで、そろそろ山岳都市に拠点を移動しようと思うんだがいいか?」




「そろそろだと思って準備してたよ!!」




「流石!出発はいつにする?」




「明日の早朝でどうかな?」




「分かった。山岳都市のギルマスにはすでにバーバラさんから通達が行ってたからポールには特に言わなくていい。」




「分かった!!じゃあまた明日ね!!」




「ああ!」




それから俺は屋敷に戻り、山岳都市に出発する準備をした。




「ダグラス殿、ちょっといいか?」




「どうした白虎?」




「明日我々が暮らしていた秘境に行って魔族の調査をしないか?」




「そうだな。じゃあ拠点の移動が終わったら行こうか。」




「ありがとうございます。」




翌朝、俺は予定よりもだいぶ早くギルドに向かった。


朝の冷たい空気に暖かい朝日が差し込んで心地いい頃、俺の方が早く着いた。




「おはようダグラス君!早いね!!」




「おはようテレサ。前回はテレサを待たせちゃったからな。今回は待たせまいと思って。」




「気にしてくれてありがとう!!」




「じゃあ行きましょうか。」




「うん!」




俺はテレサとともに山岳都市へ”転移”した。




「ダグラス君、”転移”の魔道具は?」




「あっ…」




「やっぱり”転移”の魔道具は嘘だったんだね。」




「ごめん…空間魔法の使い手は希少だから隠しておこうと思って…」




「私は他言しないから隠し事はしないで!!」




「分かった…」




正直前回からばれていた気がする。


その後ギルドに向かい、ユルグと話をした。




「分かりました。ダグラス君がここにいてくれるのは安心できますね。」




「それと、例の魔族の件について調査するとき、何かと優遇してくれたらありがたい。」




「もちろんですよ!任せて下さい!」




それから俺は例の通りに資料室に行き、山岳都市について調べた。




まとめると、


1.フィールドは森林と峡谷の2つで、峡谷に洞窟がいくつかある


2.峡谷にいる魔物は強く、最低でもCランクである


3.洞窟は未踏破なものが多く、危険度が高い


4.山々には秘境と呼ばれる四神の住処があり、そこには貴重な素材がたくさんあると言い伝えられている




といった感じだ。




「なぁ白虎。」

四神の問題が解決したので、山岳都市の屋敷の皆と少し話をしてから鉱山都市に帰った。


皆大きな怪我をしたものの、冒険者を辞めたいという人は1人も出なかったので良かった。




「あ、ダグラス君!今日はどうしたの?」




「山岳都市に行ってた。非常事態が起きてたんだ。」




「大丈夫だった!?」




「ああ。もう解決した。」




「そっか…よかった。」




「それで、そろそろ山岳都市に拠点を移動しようと思うんだがいいか?」




「そろそろだと思って準備してたよ!!」




「流石!出発はいつにする?」




「明日の早朝でどうかな?」




「分かった。山岳都市のギルマスにはすでにバーバラさんから通達が行ってたからポールには特に言わなくていい。」




「分かった!!じゃあまた明日ね!!」




「ああ!」




それから俺は屋敷に戻り、山岳都市に出発する準備をした。




「ダグラス殿、ちょっといいか?」




「どうした白虎?」




「明日我々が暮らしていた秘境に行って魔族の調査をしないか?」




「そうだな。じゃあ拠点の移動が終わったら行こうか。」




「ありがとうございます。」




翌朝、俺は予定よりもだいぶ早くギルドに向かった。


朝の冷たい空気に暖かい朝日が差し込んで心地いい頃、俺の方が早く着いた。




「おはようダグラス君!早いね!!」




「おはようテレサ。前回はテレサを待たせちゃったからな。今回は待たせまいと思って。」




「気にしてくれてありがとう!!」




「じゃあ行きましょうか。」




「うん!」




俺はテレサとともに山岳都市へ”転移”した。




「ダグラス君、”転移”の魔道具は?」




「あっ…」




「やっぱり”転移”の魔道具は嘘だったんだね。」




「ごめん…空間魔法の使い手は希少だから隠しておこうと思って…」




「私は他言しないから隠し事はしないで!!」




「分かった…」




正直前回からばれていた気がする。


その後ギルドに向かい、ユルグと話をした。




「分かりました。ダグラス君がここにいてくれるのは安心できますね。」




「それと、例の魔族の件について調査するとき、何かと優遇してくれたらありがたい。」




「もちろんですよ!任せて下さい!」




それから俺は例の通りに資料室に行き、山岳都市について調べた。




まとめると、


1.フィールドは森林と峡谷の2つで、峡谷に洞窟がいくつかある


2.峡谷にいる魔物は強く、最低でもCランクである


3.洞窟は未踏破なものが多く、危険度が高い


4.山々には秘境と呼ばれる四神の住処があり、そこには貴重な素材がたくさんあると言い伝えられている




といった感じだ。




「なぁ白虎。」




「どうしたんだ?」




「秘境に行きたい。案内してくれるか?」




「分かった。」




白虎を亜空間から出した。




「どうぞ背中に乗ってください。」




「いいのか?」




「はい。」




白虎の背中に乗ると、その触り心地は最高だった。


とてもきれいな白色でふかふかしていて暖かく、Sランクのベッドよりも触り心地がいい。




「…あの、ダグラス殿。そんなに触られると恥ずかしいのだが…」




「あ、すまない。心地よかったからつい。」




「いや。お気に召してよかった。では行きます。」




白虎の跳躍力はすごく、1回の跳躍で山を1つ軽々超えた。




「…?今結界を抜けなかったか?」




「はい。秘境は不可侵結界の中にあるんだ。」




「なるほど…」




「着きました。」




そこは魔物が1体もおらず、空気がきれいで風通しのいい幻想的な草原だった。




「きれいだな…」




「ありがとうございます。」




「それで、魔族に”洗脳”された場所はどこだ?」




「こっちです。」




”魔力探知”で魔力の残滓を調べたが、痕跡は何も残っていなかった。




「分からないな…すまない。」




「いえ。せっかく来たから何か素材を採っては?」




「そうだな。」




そこは言い伝え通り貴重な素材の宝庫だった。


どんな怪我や状態異常も治す万能薬である”エリクサー”の素材もごろごろあった。




「おぉ…すごいな…!!」




「私たちの魔力が溜まってるのが原因だそうです。」




朱雀が亜空間から通信で教えてくれた。




「朱雀はこういうのに詳しいのか?」




「ええ。私は以前人化して人里で暮らしていましたから。」




「人化できるのか!?」




「ええ。Lvが200を超えると皆人化の術を習得するんです。」




「そうなのか…」




とりあえず全種類の一定量を採取して”アイテムボックス”に収納した。




それから朱雀、青龍、玄武の秘境にも行ったが、何も痕跡が見つからなかった。


結局秘境にある希少素材を採取しただけになってしまった。




「何もわからなかったな…」




「仕方ありません。魔族はこういった工作が得意ですから。」




「そうか…」




何も進展が得られないとは思っていなかったので少し落ち込んだ。




『こちらが痕跡を得る前に罠に嵌められたりしなければいいが…』

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