第47話 限界突破スキル
翌日海鮮亭で朝食を終えて携帯食を受け取り、早速ギルドに来た。
今日は”サンドクラブ討伐”と同時にもう1つクエストを受注したい。
「ダグラス君おはよう。クエスト掲示板の前でうなってるけどどうかしたの?」
「おはようございますテレサさん。実は、”サンドクラブ討伐”と同時進行でもう1つクエストをやりたいんですけど何かおすすめはありますか?」
「同じCランククエストの”ナイフフィッシュ討伐”はどうかな?」
「そうですね。じゃあそれと2つでお願いします。」
「分かったわ!行ってらっしゃい!」
「はい!ありがとうございます。」
ナイフフィッシュとは鋭利でナイフのような体で体当たりしてくる。 浅瀬に生息しているので砂浜と往復しやすい。
『流石テレサさんだな…まだここに来て2日目なのに魔物もクエストも把握してる…』
砂浜に着き、まず初めに”水中呼吸S”と”水中行動S”の効果を調べることにした。
ナイフフィッシュが近くにいるので一応ヒヒイロカネの装備とバフ全部をかけた。
『本当に大丈夫なのか…?』
不安になりながらも海に入っていった。
すると水中でもちゃんと呼吸ができ、さらに少しぎこちないが動くことができた。
『陸で動くよりは若干動きにくいけど…慣れれば同じくらい動けるか!』
俺は水中行動の練習がてらナイフフィッシュを倒すことにした。
早速1匹が俺に気づいて体当たりしてきたが、無傷だった。
試しにヒヒイロカネの装備を外して攻撃を受けてみたが、大丈夫だったので装備を外した。
ナイフフィッシュを倒して”鑑定&略奪をしてみると、”鋭利化F”というスキルを得た。
行使してみると、見た目は変わらないが任意の場所に鋭利の効果を付けられるようだ。
このスキルのおかげで手刀などができるようになった。
”解体”すると、魔石Cとナイフフィッシュの切り身、鋭利な鱗を手に入れた。
『切り身もみんなへの土産にするか。』
王都は海から遠いため海鮮系の食材がないのできっと喜ぶだろう。
”硬質化”だけで防げることが分かったが、強い個体が現れたときのためにバフ全部をかけてナイフフィッシュを狩り続けた。
30体目を倒して” 鋭利化”がEになり、水中行動に慣れてきたので砂浜に上がった。
生活魔法”クリーン”、”ドライ”をかけてきれいになった。
『やっぱり生活魔法は便利だな…』
その後サンドクラブとナイフフィッシュを見つけるごとに倒していくと、ある変化が起きた。
それは、ステータスの表記が片手剣Sが片手剣Lv.1に変化したのだ。
『なっ…!!片手剣の能力が落ちたのか…!?』
試しに片手剣スキルS”レイドストリーム”を使ってみたら、ちゃんと行使できた。
『どういうことだ…?』
賢者の石と”鑑定”スキルをフル活用して調べたところ、これは”限界突破”スキルによるものだと分かった。
スキルは上限がSランクだったようで、”限界突破”スキルの発動条件を達成し作用したようだ。
『弱体化したわけではなくてよかった…』
俺は今まで”限界突破”スキルを習得したのを忘れていた。
発動条件の詳細を確認した。
まとめると、
1.スキルとそれに対応する職業スキルがSランクになる
2.1のあとSランクスキルを3000回行使する
2´.1のあと職業スキルの熟練度を3000に上げる
といった感じだ。
2と2´があるのはどちらか一方を達成すればいいからだ。
今回の片手剣は後者の方だったようだ。
『これでもっと強くなれるな…早速今Sランクのスキルをすべて”限界突破”させよう!』
後者は時間がかかりそうなので前者で”限界突破”発動条件を達成しようと思う。
俺は次に短剣Sスキル”モーメンタリーバイト”を行使しまくった。
サンドクラブとナイフフィッシュ相手に魔法を行使しても良かったのだが、普段俺は片手剣と体術、短剣スキルを行使しているので優先することにした。
体術S”粉砕破掌打”は相手を粉々にするため魔石や素材が壊れてしまう。
そのため、魔物を”気配察知”して倒すまでの時間で空撃ちすることにした。
『今まで師匠に教わってた訓練サボってたなぁ…ずっと続けていれば今頃もっと強くなってただろうなぁ…』
俺はひどく後悔した。
しかし、後悔しても何にもならないので今まで無駄にした時間を少しでも取り戻そうと努力した。
TPがなくなったら次は氷属性魔法を”限界突破”させるべくMPを消費し、MP、TP両方がなくなったら今までに作ったポーションで回復して訓練しまくった。
SランクスキルはMPまたはTPを1000消費するので、俺の今のステータスだと最大180回連続までしか使えなかった。
『3000回は一朝一夕には達成できないな…コツコツ頑張るか!』
全力で訓練しながら魔物を狩った結果、1日でサンドクラブ×141とナイフフィッシュ×118を討伐した。
”硬質化”はDのまま、”鋭利化”はDに上がった。
早速”魔石吸収”スキルを行使すると、HP・MP・TPすべて+25900になった。
『これは凄まじいスキルだな…3つとも上限が20万を超えたし…』
その後ギルドに行き、今日の報告をした。
「…討伐数ではもう驚かないわ。それで、素材は何を売却する?」
「サンドクラブの外骨格とナイフフィッシュの鋭利な鱗を。」
「魔石は売らないの?売らないならギルドの支出が減って嬉しいんだけど…」
「はい。使い道を見つけたので。」
「分かったわ!」
クエスト報酬と売却金合計金貨131枚と銀貨1枚をもらい、海鮮亭に帰った。
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