第30話 報酬

コボルドの群れ討伐後も近くにいたコボルドやウルフを倒しまくった。




ウルフとの戦闘は初めてで緊張したが、ウルフの武器である素早さは師匠より格段に遅かったので楽勝だった。


ウルフを”鑑定&略奪”すると”俊敏F”を手に入れた。




ギルマスに用ができたので早く切り上げ、ギルドに向かった。


ちなみに見つけた魔物を倒しながら帰った。




「すみません。」




「あ、ダグラス君。どうしたの?」




「ギルマスに報告があるんですけどいいですか?」




「どういった内容で?」




「森林でコボルドの群れを発見しました。」




「っ!?至急報告してくるからちょっと待ってて!」




数分後。




「おまたせ。詳しく聞きたいそうだからギルマスの部屋に行ってね。」




「分かりました。ありがとうございます。」




ギルマスの部屋に着いた。




「Dランク冒険者のダグラスです。」




「入れ。」




「失礼します。」




「またお前か…それで、群れは全部倒したんだよな?」




「はい。これがその魔石です。」




俺は昨日4980個のゴブリンの魔石も一緒に取り出した。




「っ!?こんな数のコボルドが王都近辺にいたのか!?」




「すみません冗談です。コボルドの群れはこれだけです。」




俺はゴブリンの魔石をすべてしまった。




「そ、そうだよな。というか今の魔石はなんだ?」




「これは故郷にいたときに狩っていたゴブリンの魔石です。売り忘れていて…」




「分かった。じゃあうちで買い取ろう。」




「ありがとうございます。あ、あとコボルドが装備していたものはどうすればいいですか?」




「ん?あーそれは鍛冶屋とか商会に売ってくれ。」




「分かりました。」




「報酬の計算するからちょっと待ってろよ。」




そう言って魔道具を持ってきた。




「それは?」




「ん?あ、ああ。これは魔石をランク別に分けて計算してくれる装置だ。


便利だろう?メリル魔道具店で購入したんだ。」




「へぇーすごいですね!」




メリルはやっぱりすごいなと改めて思った。




「計算が終わったぞ。魔石Eが1つあたり銅貨1枚で5030個、魔石Dが1つあたり銀貨1枚で12個、魔石Cが1つあたり金貨1枚で5個、魔石Bが1つあたり金貨10枚で2個、合計で金貨76枚と銀貨5枚だ。


あと情報提供料で金貨7枚だ。金貨83枚は4日後にまとめてでいいか?」




「はい、大丈夫です。」




「はい、これ銀貨5枚だ。じゃあ4日後金貨433枚とAランク装備一式だ。」




「分かりました。」




ついでに引き受けていた”コボルド討伐”と”ウルフ討伐”の報酬と素材売却をした。




”コボルド討伐”が10体当たり銅貨5枚で50体、”ウルフ討伐”が5体当たり銀貨1枚で15体、ウルフの毛皮が1個当たり銅貨1枚で15個、計銀貨7枚もらった。




その後熊の子亭に帰り夕食と水浴びを終え、考え事をしていた。


そう、その内容はずばり報酬の使い道である。




俺は奴隷を買おうと思っている。


正直俺はパーティも組まずにずっとソロなので寂しくなっていたのだ。




『とりあえず他の使い道もあるだろうし…明日メーアに相談しに行くか。』




翌朝、朝食を終え携帯食をもらうとすぐにメリル魔道具店に向かった。




「いらっしゃいませー。あ、ダグラス!」




「おはようメリル。」




「今日はどうしたの?」




「ああ。実は3日後に大金が入るんだがそれの使い道を相談したくてな。」




「大金ってどのくらい?」




「金貨433枚だ。」




「そんなに!?いったい何やったの!?」




「それは内緒だ。」




「えぇ!?教えてよ!」




「誰にも言わないって約束するか?」




「するから!」




「分かった。実は昇格試験を受けたときにコボルドキングに遭遇して、ソロで討伐したんだ。


あと昨日もソロでコボルドナイト2体を討伐したんだ。」




「えぇ!?ラウラからダグラスは強いって聞いてたけどまさかそこまでとは思わなかったよ…」




「ああ、訳あって実力を隠してるからな。」




「そうなんだぁ…」




メリルは茫然としていた。




「で、おすすめの使い道はあるか?」




「そうだなぁ…うちの商品を買いまくるとか?」




「確かにお金を消費はできるが必要なものしか買いたくないしなぁ…」




「じゃあ家とか?」




「433枚で買えるの?」




「そりゃあそんなにあったら十分立派な家が買えるよ!」




家はもっと高いものだと思っていた。




「家か…なるほどな。あと俺が考えた使い道があるんだが。」




「どんなの?」




「実は奴隷を買おうかなって…」




そう言った瞬間メーアが俺に冷たい視線を送ってきた。




「ダグラス、まさかそういうことをさせるつもり…?」




「違うよ!!冒険のパーティとしての奴隷が欲しいんだ!」




半分は本音だ。


…半分は。




「なるほどね…奴隷制は国で認められてるけど正直見てて気分がいいものではないよ…」




「そうなのか?実はまだ見たことがないんだ。」




「まあ見たらわかるわ。」




「相談に乗ってくれてありがとう。じゃあ家と奴隷を買おうかな。」




「ダグラス、家買ったらちょくちょく遊びに行ってもいいかな?」




「ああ、いいぞ!いつでも来い!」




「ありがとう!じゃあまたね!」




「ああ。また。」

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