第20話 ギルドマスター

冒険者ギルドに着くと、試験官に




「職員と話してくるからちょっと待ってな。」




と言われ、待っていると




「よう新人!どうかしたのか?」




と細マッチョの先輩冒険者に話しかけられた。




「あなたは?」




「俺は”新芽の息吹”所属 Cランク冒険者ダニエラだ。相談なら乗るぞ?」




”新芽の息吹”…?どこかで聞いた気がするがまあいい。




「実は今Eランクの昇格試験を終えたところなんですけど…」




「あぁそうか…つらいことを聞いてしまってすまない。」




「いえ、そうじゃなくて。」




「ん?違うのか。何があったんだ?」




俺は今日のことを話した。




「そうなのか。でもギルドカードにはちゃんと討伐数が載ってるんだろ?それじゃだめなのか?」




「他の人の協力を得てとどめだけ刺した可能性もあるからだめなんだと…」




「なんだぁ?その試験官頭固いな!俺が抗議してやるよ!」




「いいんですか?」




「ああ。任せておけ!」




「ありがとうございます!」




ダニエラさんと話していると、




「ダグラス君、待たせたね。ギルドマスターの部屋についてきてほしい。っておい。なんでお前がいるんだ、ダニエラ?」




「ん?サイモンじゃないか!ってことは!おい!お前の頭が固いせいでこの新人が困ってるだろ!?」




『…そうだ!”新芽の息吹”は試験官の所属パーティの名前だ!』




ということは、この二人はパーティメンバーか。




「仕方ないだろ…?とりあえずダグラス君はついてきてくれ。」




「分かりました。ダニエラさん、ありがとうございました!」




「おう。まあサイモンなら何とかしてくれるだろうから安心しろ!」




「はい!」




俺はギルドマスターの部屋に向かった。


ギルドマスターに会うのも部屋に入るのも初めてなので緊張する。




「緊張しなくていいよ。ギルドマスターは気さくな人だから。」




「そうなんですね…」




部屋の前に着いた。




「ギルマス、サイモンだ。例の子を連れてきたぞ!」




「入ってこい。」




扉を開けると、そこには優しそうなエルフの女性がいた。




『…エルフだ!初めて見た!本当に耳とがってるんだなぁ…』




などと心の中で興奮していた。




「ダグラス君だっけ?君、エルフを見るのは初めてかい?」




おっと、表情に出ていたようだ。




「はい。まじまじと見てしまってごめんなさい。あなたは?」




「気にするな。私はエリザだ。それより、昇格試験に不手際があって申し訳ない。


鑑定の魔道具があるからそれを使って聞いてもいいか?」




「はい。」




「では水晶に手乗せてくれ。これは嘘をつくと赤色になる。包み隠さず言いな。」




「分かりました。」




「じゃあ質問を始める。お前は試験開始直後何をした?」




「ゴブリンの居場所を見つけたので全速力で向かいました。」




もちろん水晶は青いままだ。




「ふむ…次に、君は単独ですべてのゴブリンを倒したか?」




「はい。」




これももちろん水晶は青いままだ。




「ふむ…最後に、君はまだ力を隠しているか?」




「っ!!…はい。」




「ふむ…して、その力はなんだ?」




「…それは関係なくないですか?」




「ふふふっ。すまない冗談だ。これで終わり。君は昇格試験合格だよ。」




「え、でも最終日の対人戦の試験は?」




「試験官に気づかれないほど早く動いてクエストを達成したんだ。対人戦をしなくても能力が高いことがわかる。」




「ありがとうございます!」




そう言って俺はギルドを去った。




『隠している能力について詮索されなくてよかった…』




そんなこと考えながら、俺はギルドを出て帰宅した。




「おかえり。昇格試験どうだった?」




「ただいま父さん。トラブルはあったけど合格したよ。」




「ん?トラブル?何があったんだい?」




俺は今日のことを事細かに話した。




「そんなことがあったのか…きっとダグラスがいっぱい努力したから試験官じゃついていけないくらい成長したんだよ。さすが俺の子だ!」




「ありがとう。」




「エリザか…懐かしい名前を聞いたな。」




「父さんはエリザさんと何か関係があったの?」




「実は俺が冒険者だったころ、一時期訓練してくれたんだよ。」




「そうなんだ!」




話してると、訪問があった。




「誰だろう…?」




「この感じ…き、気にしなくていいよ!それより合格祝いでもやろうか。」




「じゃあそれ私も混ぜてもらえる?」




「うわ、エ、エリザ師匠…」




「エリザさん…!?」




「やあダグラス君。さっきぶりだね。やっぱりエドワードの子か。そんな気がしていた。」




突然俺の隣にエリザさんが現れた。




「エリザさん、父さんの師匠だったって本当ですか?」




「ああ、本当だぞ。」




「昔の父さんのこと教えてください!」




「ダグラス、父さんのことなんか知らなくていいからね?早くお風呂に入ってきなさい!」




「え、でも…」




「いいから!」




「分かった。」




「エドワードは相変わらずの恥ずかしがりだなぁ。ふふっ。」




『父さんはやっぱり恥ずかしがりだったのか。ってそうではなく、怒られそうだから早くお風呂に入ってこよう。』




すぐにお風呂へ行き、汗を流していると




「失礼するぞ。」




といってエリザさんが入ってきた。




…初めて女性の裸を見た。


肌はとてもきめ細かく色白できれいだ。


そして、胸は巨乳かつ美乳で先端部分はぷっくりとしていた。


下の部分はタオルで隠していたので見えなかった。




気が付けば俺の息子はギンギンになっていた。




「ふふっ、うぶだな。」




「な、なんでエリザさん入ってきてるんですか…!?」




「面白そうだったからだ。」




「だ、だからと言って!」




「なんだ?お互い裸を見られたくらいで気にするな。」




「じゃ、じゃあ俺もう上がるので!」




俺は逃げるようにお風呂を出て、自室に戻った。


エリザさんはお風呂に入った後すぐに帰ったらしい。




その夜、俺はなかなか寝付けなかった。


ナニの所為かは秘密である。

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