第9話 成長②

朝の勉強の時間で、特に生活学と魔物学について深く知識を得た。


その一端を説明する。




1.生活学


通貨について、この世界は硬貨で銭貨<銅貨<銀貨<金貨<白金貨となっている。


日本円に換算すると銭貨=10円 銅貨=100円 銀貨=1000円 金貨=10000円 白金貨=100000円に相当する。




家について、一つの街にずっと住み続ける人以外は基本的に宿に泊まっている。


一部の富裕層はたくさんの街に家があるらしい。


俺は最初は宿暮らしで、住み続けたいと思う町ができたらそこで家を買う予定だ。




街について、どこの町も冒険者ギルド、商人ギルド、魔法商店、鍛冶屋、薬屋がある。


冒険者ギルドと商人ギルドはわかりやすいようにどの町も同じような建物だ。


魔法商店はサンチェス魔法商会が牛耳っており、鍛冶屋と薬屋は個人営業が多い。




また、警備のため街に入るときは門を通る際、水晶に(犯罪歴があると赤く染まる)に手をかざすかギルドカード(犯罪歴が自動で記入される)を提出する必要がある。





2.魔物学


魔物は世界中のどこにでも自然発生し、その原因は未だ不明である。


また、体内に魔石があることや進化して上位個体になることなど、生態も謎に包まれている。




魔物には二種類いる。




一つ目は、ダンジョン内で発生する個体。


倒した時、魔石とドロップアイテムだけ残り他はダンジョンに吸収される。


そのため解体して素材を剥いだりできない。




二つ目は、ダンジョン外で発生する個体だ。


これは倒した時、魔石だけでなく他のすべてもそのまま残る。(ただし、ドロップアイテムはない。)


そのため解体して素材を剥ぐことができる。




魔石は魔道具(誰でもMPを少し流せば使える便利な代物)の材料として使われ、魔物の素材は武器や防具などの素材として使われている。


ドロップアイテムは読むだけでスキルを習得できる「スクロール」や性能の高い武器、貴重な魔物の素材などが獲得できるが、ドロップアイテムはなかなか獲得できないそうだ。




魔物は危険度によってF~Sでランク分けされており、これは世界共通である。


また、冒険者ギルドもF~Sでランク分けされており、その冒険者ランクは魔物の危険度に対応している。




ちなみに最近動きが怪しいといわれている魔族の個体の平均はC以上である。




中堅のCランク冒険者を基準とし、彼らの平均ステータスは以下のとおりである。




1.魔法、武技万能型


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Lv.63 HP 11000/11000 MP 11500/11500 TP 14300/14300




スキルランクの平均→Cランク


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




2.魔法特化型


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Lv.63 HP 11000/11000 MP 16000/16000 TP 10000/10000




スキルランクの平均→Bランク


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




3.武技特攻型


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Lv.63 HP 11000/11000 MP 10000/10000 TP 16000/16000




スキルランクの平均→Bランク


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




出典:「冒険者図録」(冒険者ギルド)




俺はすでにスキルランクの平均においてはCランク冒険者の平均を上回っているようだ。


MPもあと500でたどり着く。


自分の強さを客観的に見ることができたので良かった。




有名な魔物と性質、危険度ランクを紹介する。




1.ゴブリン


ゴブリンE→ゴブリンウォーリアーD→ホブゴブリンC→ゴブリンナイトB→ゴブリンキングA


     →ゴブリンアーチャーD→ゴブリンメイジC→ゴブリンウィザードB




ゴブリン(全体):人族の子供くらいの大きさ(1mくらい)。


         繁殖力が高く、どの種族でもメスを住処に連れ帰り苗床にする。


         冒険者から殺して奪った武器を使う。




ゴブリンE:単体では弱いが基本群れで行動する。


      30体以上の集団は危険度Cになる。


      主な装備は腰の布切れ、棍棒。




ゴブリンウォーリアーD:ゴブリンの兵士。


            主な装備は兜、剣。




ホブゴブリンC:知性を持っているうえに力が強い。


        主な装備は鎧。




ゴブリンナイトB:知性を持っているうえに剣術の武技が使える。


        主な装備は兜、鎧、剣。




ゴブリンキングA:ゴブリンの王で、自分より格下のゴブリンを操る。


         また、いくつかの武技・魔法を使う。


         稀にユニークスキルを持つ個体がいる。


         主な装備は王冠、鎧、剣。




ゴブリンアーチャーD:ゴブリンの変異体で、弓術の武技を使う。


           主な装備は腰の布切れ、弓。




ゴブリンメイジC:知能を持っており、Dランクの魔法までを使う。


         主な装備はローブ、杖。




ゴブリンウィザードB:知性を持っており、Bランクまでの魔法を使う。


              主な装備はローブ、杖、魔道具。





2.スライム


スライムF→ビックスライムC→キングスライムA


     →アシッドスライムC


     →ポイズンスライムC


     →メタルスライムC




スライム(全体):知能を持っていない半透明なゼリー状の個体。


         体内にあるコアを破壊することで簡単に倒せる。


         食べるものによって進化先が変わる 。




スライムF:いろいろなものを食べて成長した個体。


      とても弱く、ビギナー冒険者の練習に使われている。


      薄い水色をしている。




ビックスライムC:スライムFが合体して大きくなったもの。


         コアが奥深くになったため倒しにくい。


         体内に取り入れられると窒息させ徐々に溶かされる。




キングスライムA:スライムFの王だが、自分がより下のスライムを操らない。


         ビックスライムが合体したもの。


         体内に取り入れられると窒息させ徐々に溶かされる。




アシッドスライムC:酸性物質を食べて成長した個体。


          酸を吐いて攻撃する。




ポイズンスライムC:毒物質を食べて成長した個体。


          毒を吐いて攻撃する。




メタルスライムC:金属を食べて成長した個体。


         非常に硬く倒すのが困難。


         だが、倒した時のEXP獲得量は非常に多いらしい。




このように、進化の過程が長く、より強くなる魔物もいれば進化の過程は短いが種類が多い魔物など、さまざまである。




『将来魔物の研究をするのも面白そうだな。』

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