第7話 魔法実験
昼寝から目覚めた俺は、まず魔法の熟練度上げをすることにした。
そういえば昨晩まで魔法の熟練度上げ=MP上限上げに繋がることを失念していた。
よって昼に光属性魔法などの目立つ魔法、夜に闇魔法などのこっそりできる魔法の熟練度上げをする。
この時間はFランクの火、水、土、光属性魔法のランクをEに上げる。
回数を重ねていくうちにだんだん苦痛に慣れてきた。
日が傾いてきた頃、火属性魔法E-ファイヤー ファイヤーボール
水属性魔法E-ウォーター ウォーターボール
土属性魔法E-アース アースボール
光属性魔法E-ライト ライトボール
を習得し、同時に忍耐Cを習得した。
また、MP枯渇を117回繰り返したようで上限は153→270に上がった。
『順調に強くなってるな!』
そう実感して俺は喜びを噛み締めた。
熟練度上げが終わったところでまずは新たに覚えた魔法の発動と魔法実験をすることにした。
家の者にばれないよう、一番気づかれにくいと思われる風属性魔法から始める。
『エアーボール』
唱えると、手を向けた先の天井に空気の塊がぶつかり少し揺れた。
エアーボールは空気砲であるようだ。
ステータスを見ると、MPが153→143になっていた。
「失礼します。ダグラス様、大丈夫ですか?」
セシリアが部屋に入ってきた。
どうやら部屋の近くにいたので揺れに気が付いたようだ。
「失礼しました。」
何もなかったことを確認すると部屋を出ていった。
ステータスウィンドウを出しっぱなしだったためひやひやしたが、他人からは見えないようだ。
『よかったぁ…見つかるところだった。』
魔法がEランクになり、威力が上がったので熟練度上げは少し工夫が必要になりそうだ。
闇属性魔法と無属性魔法はデバフとバフっぽいので試してみる。
『ディレイ』
やはり何も起こらなかったが、減速させる魔法だろう。
これもMPを10消費した。
『身体強化』
体が軽くなったように感じ、全身に力がみなぎった。
これもMPを10消費し、効果時間は10分だった。
次に、魔法の融合についての実験に移行する。
『ファイヤー ウォーター』
…温水ができた。まあそうであろう。
このように基本属性7個をすべてのパターンで行った結果、
『ウォーター ウインド』
で氷属性魔法Fーアイスを、
『ライト ダーク』
で空間がゆがみ空間魔法Fー空間芥生を習得した。
『アイス』
小さな氷の塊が出てきた。
『空間芥生』
空間の切れ目のようなものができ、効果時間は5分。
入れたものを取り出すことができず、ただ入れられるだけだった。
『芥生ってごみ捨て場のことだったのか…ごみ箱の魔法ってちょっと…』
そう思ったのも束の間、実はこの魔法使い勝手がいい。
一度魔法が切れてもう一度発動すると、中身が消えているうえに容量という概念がないのだ。
これからは熟練度上げの時にこの空間芥生の中に撃つことに決めた。
最後に、魔法の操作について3つの実験を行う。
1. 魔法に込めるMPの量について
2. 魔法の形の変化について
3. 魔法の付与について
結果
1.指定されているよりMPを少なくしたら発動できなかったが、多くすることはできた。
攻撃魔法は威力が増し、バフ・デバフは意識することで効果時間の延長または程度の上昇、はたまた両方をできた。
ついでに、闇属性魔法F-ダークの上位互換である闇属性魔法Eーダークネスと光属性魔法F-ライトの上位互換である光属性魔法Eーフラッシュを覚えた。
また、魔法は自分の意思で動かしたり消したりなどの操作をできることが分かった。
2.①厚さを薄くして平面にする→水属性魔法Dーウォーターカッター
風属性魔法Dーウインドカッター
無属性魔法Cーインビジブルカッター
②矢の形にする→火属性魔法Dーファイヤーアロー
風属性魔法Dーウインドアロー
無属性魔法Cーインビジブルアロー
③壁の形にする→火属性魔法Dーファイヤーウォール
風属性魔法Dーウインドウォール
土属性魔法Dーアースウォール
無属性魔法Cーインビジブルウォール
④弾の形にする→火属性魔法Cーファイヤーバレット
水属性魔法Cーウォーターバレット
風属性魔法Cーエアーバレット
無属性魔法Bーインビジブルバレット
⑤槍の形にする→火属性魔法B-ファイヤージャベリン
水属性魔法Bーウォータージャベリン
風属性魔法Bーウインドジャベリン
闇属性魔法B-ダークジャベリン
無属性魔法Aーインビジブルジャベリン
という表記が出た。
しかし、魔法を見つけても条件のランクに達していないと使うことができない。
3.光属性魔法Fーライトを物体に付与することができ、付与魔法Fを習得した。
付与する魔法のランクは付与魔法のランクに依存する。
なので、付与魔法Fの俺はFランクの魔法しか付与できない。
また、無属性魔法Eー身体強化を部分的に行うことができ、無属性魔法Eー部分強化を習得した。
ちなみに火属性魔法ーファイヤーカッターなど魔法名が出てこなかったものは、その形にしようとすると勝手に魔力が分散してしまい失敗に終わった。
魔法名が出たものも形になった後、勝手に魔力が分散してしまい撃つことができなかった。
つまり力業でごり押せないことだ。
俺はだいぶ成果を得られたのでとても満足した。
『しばらくは朝にこの世界の知識を増やして昼夜に魔法の知識を深めつつ、MP上限と熟練度上げをする生活の繰り返しをするか。』
そう決意し、習得した魔法すべてのランクをAにすることを目標にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます