第6話 トレーニング

夕食の時間になったようで、俺はセシリアに起こされた。


家族で楽しく夕食を終えて俺は自室に着いた。


そして、セシリアが退室し一人になった。




予定通りMPを枯渇させては回復してを繰り返すことにした。




『ステータス』




MPの増加具合を見るため、ステータスウィンドウは開きっぱなしにすることにした。


家の者にばれないよう、一番気づかれにくいと思われるウインドを使う。




『ウインド×10』




唱え終えると、俺は頭が割れるような頭痛と激しいめまい、異常な倦怠感に襲われ悶えた。


MP枯渇時の症状は思っていたより5倍ほどきついものだった。




『これを繰り返すのか…気が狂いそうだ…』




ステータスウィンドウを見ていると、MP上限が50→51に変化していた。




『この苦痛を乗り越えて1しか増えないのか…きついなぁ…』




そう思っているうちに2分30秒経ったようでMPが5回復した。




次にMP上限が増えるのは一度MPが全快してからなのか、もしくは全快せずともいいのかがわからなかったため、とりあえず後者を試すことにした。




『ウインド』




唱えると、またあの苦痛がやってきた。


苦痛に慣れ始めてステータスウィンドウを見てみると、MP上限が51→52になっていた。


これでより早くMP上限を増やせることが分かったのだが、少し複雑な気分だ…




『MPが全快してからしか増えないなら苦痛が来るまでにまあまあ猶予があるのに…』




そう思ってしまう自分がいた。




MPがまた5回復したので気を取り直してトレーニングを再開した。



18回目が終了したとき、「ピロン!」という音がした。




風属性魔法がF→Eになったのだ。


風属性魔法Eの習得条件はウインドを30回使うことだったようで、新たに「エアーボール」という魔法を覚えた。




威力と効果の確認は明日の昼にすることにした。


他の属性魔法Eの習得条件も同様だと考えられる。




もうウインドを使っても風魔法Eの熟練度は上がらないようだ。


ウインドの代わりに闇属性魔法のダーク、無属性魔法の魔力探知、生活魔法のクリーンの順に使うことにした。




30回目が終了したとき、また「ピロン!」という音がした。




忍耐Fという苦痛が少し軽減されるスキルを習得したのだ。


俺は苦痛が減ることにまるで大好きなアニメの2期放送が決定したときのように喜び舞い上がった。




どれくらいの時間が経っただろうか…


俺は闇属性魔法、無属性魔法、生活魔法すべてのランクがF→Eになったところで力尽きて意識を失った。




翌朝セシリアに起こされて家族で朝食を終え、部屋で一人になった後昨晩の努力の成果を見ることにした。




『ステータス』






名前 ダグラス=アイザック 種族 人族 性別 男 Lv.1 EXP 10



装備


パジャマ 賢者の石




ステータス


HP 30/30 MP 153/153 TP 50/50 




スキル


火属性魔法Fーファイヤー



水属性魔法Fーウォーター 



風属性魔法Eーウインド エアーボール 



土属性魔法Fーアース



光属性魔法Fーライト



闇属性魔法Eーダーク ディレイ



無属性魔法Eー魔力探知 身体強化



生活魔法Eークリーン リペア



デバフ耐性S 危険察知S 忍耐D MP回復速度上昇 無詠唱 



ユニークスキル


鑑定 アイテムボックス スキル略奪 全魔法適正 限界突破 偽装 獲得経験値10倍



称号


異世界転生者






昨晩はMP枯渇を103回繰り返したようだ。




『ほんとよく頑張った俺!』




昨晩の努力の成果を見たところで、次は賢者の石を使ってこの世界についての知識を増やすことに努める。



今日は種族と寿命、建造物、国について学ぼうと思う。




種族について:人族、獣人族、エルフ、ドワーフなどたくさんの種類があり、さらに細分化されている。



寿命について:人族は80歳、獣人族は120歳、エルフは320歳、ドワーフは200歳である。ちなみにこの世界では数え年なので、俺は1歳ということになる。



建造物について:特にダンジョン、冒険者ギルド、商人ギルド、奴隷商館、王都にある大図書館に興味を持った。



国について:大陸の中央にはエルフや精霊たちが住む巨大な森が、北にはドワーフの国が、東には人族のたくさんの国が、南には獣人族の国が、西には魔族の国がある。




種族間で平和条約が結ばれており、戦争は起こっていないが最近魔族の動きが怪しいらしい。


また、どの種族も自然発生する魔物の対処に悩まされているそうだ。




っと、昼食の時間になったようでセシリアが俺を迎えに来てくれた。


家族で楽しく昼食を終え自室に着いた。




昼食後は昼寝の時間で、セシリアが絵本を読み聞かせて寝かしつけてくれた。


とある勇者の物語。少し興味があったのだが睡魔に勝てず寝てしまった。

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