第103話 菓子器

栗まんじゅうは食べ切ったはずだ。が、菓子器の蓋を開けると、まだあった。食べてしまったと思ったのは思い違いだったのだろう。ラッキー。日はさほど経っていない。だから食べた。


菓子器の蓋を開けると栗まんじゅうがある。こないだ間違いなく食べてしまったはず。じゃ、これは何だ? 食べてみたら栗まんじゅう。


菓子器の蓋を開けるたび栗まんじゅうがある。もういい加減飽きた。だから食べないで放っておいた。


久しぶりに栗まんじゅうが食べたくなって、その菓子器の蓋を開けた。空っぽ。

以後、栗まんじゅうが増えることはない。買わないと栗まんじゅうは食べられなくなった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る