第68話 善意か悪意か

「あの力の出現以降、世界は平和になったなあ。いい時代になった」

「どういうつもりなんだかね、力をもたらしたあの存在は」

「もちろん世界中の幸せのために決まっているだろ」

「まっすぐだなあ、君は」

「そういう君は捩(よじ)れ過ぎてるんだよ」

「捩れた世界では捩れてるほうが調和がとれるぜ」

「捩れた世界を肯定する気はないよ」

「ま、悪意ある善行の行く末に君の心が折れなきゃいいがな」

「捻(ね)じくれ曲がった奴の言うことは一味違うね」

「だから君とはウマが合うのさ」

「どうだか」

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