第66話 尾行

尾行されていることに気がついたのは数日前。なぜ尾行されるのかわからない。

尾行していると心当たりがあるのは2、3人。だけどそんな少人数で尾行しているはずはないのでもっと多くの奴がわたしを見ている。そう思うとあいつもそいつもあやしく見える。


尾行されて数年経つ。最初に尾行していた奴はもういない。もう誰が尾行しているのかもわからない。よほど大きな組織らしく頻繁に尾行要員が交代するから誰が尾行しているのかわからない。それでも尾行されているのは確かなのだ。


なぜ尾行されなければならないのか。わからない。

尾行者はあいつか、そいつか。わからない。

わたしは監視されつづけている。


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