第62話 虚と実
喫茶店で小説を読んでくつろいでいる。と、ぎょっとした。近くの席での二人の会話がたった今読んでいるこの小説のなかの二人の会話そのまま。
別の日。相手の受け答えがあらかじめわかっているような気になる。たぶんこう答えると思っていると本当にその通りに答える。それに対し自分はこう返す。やり取りがすでに決まっているかのよう。
あ、そうか。これは最近読んだ小説そのままだ。現実が小説をなぞっている。
明日、懐かしい人にばったり出くわすと思っていると本当にそうなる。
小説で読んだ出来事が現実に起きる頻度が徐々に多くなってきた。
この小説、このまま読みつづけていいものかどうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます