第47話 落し物

つまずいたひょうしにバッグから何かが転がりでた。ぽんぽん弾んで遠ざかる。

「待って」

思わず口にして追いかける。追いかけながら、あんなに弾むものなんて持っていたかしら、と思う。


何を追いかけているのか判らないまま、わたしは、待ってと繰り返し声をあげる。


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