第22話 カウントダウン

売ってしまったのかな、と最初は思った。本が失くなっていたのだ。もう読みそうにない本は売ってしまうので失くなっていたからといって不思議でもなんでもない。

けれど売るはずのない本が失くなっていることもしばしば。明らかにおかしいと思い始めたが、だからといって失くなるのを防ぐ手立てもない。


最近思うのだけれど、これは何かのカウントダウンじゃないかしらん。本が徐々に失くなっていき、最後の一冊が失くなったときに……。

すぐに思いつくのは死へのカウントダウン。でも何かもっと別のことが起きそうな気もする。


本が失くなっていくペースがあがっている。いよいよその時は近い。


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