第358話 雨

ブレザーのボタンを外し、

中に隠したお前を両手できつく抱きしめる。


フロッグ・ロードのド真ん中で、突然の豪雨。


お前が水に弱いのを知っているのに、

傘を持ってない俺の馬鹿。


お前は俺が守る。


お前を濡らすくらいなら、

俺なんか、いくら濡れてもかまわない。


カピカピの教科書なんか使いたくないもん。




★☆★


実話つーていいもんかね。


時は、中学校からの帰宅途中。

場所は、両端が田んぼの道の上。

お前は、肩掛けカバン(教科書入り)


おいらが濡れたところで、帰ったらシャワー浴びりゃいいんだ。

制服だって、渇かしゃいいんだ。

でも、濡れてカピカピになった教科書は、二度と元には戻らない。

身を挺して守るっしょ。


厨二病つか、マジで中二だったし、こういう妄想…してたよね~




〖3年目〗まで、あと7話



☆★☆


次のお題は〖真っ黒〗

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