第348話 ランチタイム

結婚され、坊ちゃま方が生まれた朝も、

奥様を亡くされ、悲嘆に暮れておられる夜も、

旦那様のクローシュは、いつも私が開けてきた。


勿体なくも、お親しく、

長年、お仕えしてきたが、

ついに暇を出された夕。


項垂れる私に、咳払い一つ。


「引退後は友として、私のランチタイムへ招待させてはくれまいか?」




★☆★


主従関係30年。

旦那様と執事は、どれだけ信頼し合っていても、

同じテーブルでご飯を食べる事は無いからねぇ。


一緒にご飯を食べるには、引退してもらって、

対等な立場になってもらうしか…。

(ちなみに、旦那様は、とっくに田舎で隠居してます)


退職金も出すし、年金も渡すけど、

きっと、一緒に暮らすんだよ。


ちなみに…執事って独身を貫く場合が多いらしい。

(主人<家庭にならないように)



☆★☆


次のお題は〖後の祭り〗

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