第330話 台本通り

「ストップ! 止め、止め」

演出家の声で、僕達は、練習場での立稽古の芝居を止めた。


「困るよ。ちゃんと台本通りに台詞を言ってくれないと」


ナタリー役に難癖をつけたのは、どうやら、

いつの間にかパイプ椅子に座っていた脚本家のようだ。


「2時間、休憩」


サカるのは、脚本を仕上げてからにしてほしい。




★☆★


脚本家:

「(ノ゚д゚)ノ ウォー!。行き詰った~~。

 (゚Д゚)ハッ!

 そうだ、リフレッシュしよう。 ( ´థ౪థ)グヘヘ💕」

って、感じでしょうか。


きっと、そこそこ知名度のある脚本家なんだよ。

枕で、シナリオ書下ろしを引き受けてもらった…とか。


他の劇団員も知ってはいるけど、知らないフリ。

脚本家の名前で客が呼べ、芝居が当たれば、次の公演に続くからね。




〖3年目〗まで、あと35話。



☆★☆


次のお題は〖信号待ち〗

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