第295話 指

僕の額に、ひやりと冷たい指が当てられた。


「熱いねぇ」


"勝手知ったる"僕の部屋に、いつの間にか入ってきていた後輩(♀)は、

額に濡れタオルをかけて、ドアの向こうへ。


「美味しそう」と彼女の声。

自画自賛?


(もしかして?)と思っていれば、

「先輩。食欲あります?」

と、後輩(♂)。


ああ、熱が。




★☆★


主人公のアパートの部屋は、大学の近所で、所謂、たまり場。

熱を出して寝込んでいたところ、後輩(♀)が目の前に。

ドアの向こうの台所では、調理する音と彼女の声。

(え? 看病してくれてたん? え? もしかして、僕に気がある?)

なんて考えてたら、調理していた後輩(♂)の声は、低音で聞こえなかっただけ。

そして、なんだか、後輩(♀)は、後輩(♂)といい感じ。

熱も上がろうってもんさ。


って感じっす。




☆★☆


次のお題は〖色仕掛け〗

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