第265話 ハラマキ

 妊って五ヶ月。岩田帯を巻いて安産祈願に詣でた彼女は、家の者がふと目を離した隙に神隠しにあった。

 翌朝、ふらっと帰宅した彼女は、その間の事は何も覚えていなかったが、母子共々無事であったので、その日の事は忘れられた。

 夫の出世やら家には次々と幸運が舞い込んだが、産気づく気配はない。




 ★☆★


(妊婦さんが戌の日に巻く帯っつーか、さらしっつーか、なんか、腹に巻く風習があったよな)

って事で、岩田帯って名称だったのは、今回、初めて知った。

腹に直接巻いてるっぽいし、腹巻でいいよね。



きっと彼女は、神(?)に見初められたんだな。

寵のある間、人間界での彼女はず~っと妊娠五ヶ月。

妊っている間、夫ともデキないからな。

そして、本人も周囲の人間も、他の時間経過は認識できるのに、彼女の妊娠期間の長さに疑問を持たない。

なんて感じをね。


 ☆


 あと100話。


 ☆★☆



 次のお題は〖何度でも〗

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