第143話 匂い立つ ③ 《1-009》-4⃣

「おはよー」

「おっす」


いつもの明るい笑顔に、

自然に声を返せたと思う。


仮にぎこちなかったとしても、アヤはどうせ気づかない。


昨日の放課後。

偶然、見えちまったキスシーン。


妙なもんだ。

一昨日迄は、確かに全身が太陽の眩しさで輝いていたのに、

今日には急に、背中から夕闇が匂い立ってきてやがる。




★☆★


〖1年目:第277話 精神修行 ② 《1-009》-3⃣〗

https://kakuyomu.jp/works/1177354055155560375/episodes/16816700426987207507

のキスシーン目撃翌日の朝。


ちなみに、彼のその後の話は、

〖白いカーテン〗

https://kakuyomu.jp/my/works/16816700427430021224

です。



☆★☆


次のお題は〖トランスジェンダー〗

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