第111話 路地裏

路地裏にある、広い駐車場のその喫茶店の店内は薄暗い。

マスターは大抵、煙草を吸いながら雑誌を読んでいて、

ドアベルが鳴っても

「いらっしゃい」

もなく、

テーブルに置いた卓上ベルが鳴って、

ようやくカウンターから出てくる。


それでも潰れず続いているのは、

サボり社員と訳アリカポーの巣窟だからだ。




★☆★


前の道は車一台がギリ通れるぐらいに狭いけど、駐車場は広い。


むか~し、

仕事をサボってる人が贔屓にする喫茶店の条件は、

* 路地裏にある事

* 駐車場がある事

って、聞いた事があったので。

理由は、社用車を停めててもバレない為、らしい。


この店のマスターが不愛想になったのは、

周囲を気にして入店してくる女性客がチラホラ来るようになってから、

(あれ?)

って思ったんでしょう。

長っ尻のサボり社員より回転率が良いという点でウェルカムなのかも。

あっ。カウンター席に座る客には、普通に対応するよ。きっと。


まぁ。

こんな妄想をするのは、私には見つけられない喫茶店なんでね。

なんせ方向音痴。

裏通りなんて、確固たる目的地等がない限り、走り(れ)ません。orz



このお題を書くにあたり、〖路地裏〗を調べたところ、

〖路地裏〗は、"道"では無く"場所"なんだそうだ。

知らなかったよ。



☆★☆


次のお題は〖会社〗

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