第110話 千鳥足 《2-110》-1⃣

タクシーから降りた奴は、

俺の腕を自分の肩に回し、

千鳥足になる俺を連れて呼び鈴を押した。


「まぁ、まぁ。すみません」


玄関まで出て来た女房の華奢を気遣う風に、

家の中にまで上り込む。


「寝る」

と、壁伝いに寝室に向かう俺に、

二人して心配気な眼差しを向けてくるが、

俺が知らないと思っているのか?




★☆★


状況は、外で”奴”と呑んで帰宅。

(2人だったか、他にも人がいたかは御想像にお任せします)

"俺"、酔ってません。

”奴”と”女房”を油断させるための演技だ。

寝取り男(確定済)と一緒に呑んで酔えるかよ!

この後、忍び足で居間に戻り、現場を押さえ修羅場。


…なんて場面をね、考えたわけですが、140字で切り取るとこんなんになりました。

(;^_^A



☆★☆


次のお題は〖路地裏〗

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