第107話 メープルタフィー

重くして。

私の体がしなるほど。

私の四肢が折れるほど。

皮膚の襞の凹凸に、隙間一つも作らずに。

ひりつくような痛みさえ、麻痺するほどにきつくつよく。


あなたの滴る血潮を被る、

私の涙は蜜の味。


あなたの屍に添い寝する涙の核に、

「メープルタフィー。美味しいね」

と、人の子の声。


私はサトウカエデ。




★☆★


昨年に出てたボツお題。

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