第054話 まんまる

傷を抉る行為だって事は解っている。

今はまだ、その時じゃ無い、と、頭では。


だけど、

一旦、手持ち無沙汰にかられ、

指を伸ばしてしまえば、

もう、止められない。


なぞり、爪を立て、引っ掻いて、血が滲むまで。


我慢と後悔を繰り返して、

大きく歪だったそれも、

今では、小さくまんまるな瘡蓋かさぶたを剥いだ皮。




★☆★


考えてる時に剥いた瘡蓋の皮が、思いの外、まんまるかったので、

(これだっ!)

と。



☆★☆


次のお題は〖満足度〗


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