第027話 神の領域

仙洞御所せんとうごしょの築地塀の向こうへ、延暦寺の僧兵が神輿しんよを担ぎ参集する中、額に青筋を浮かび上がらせた彼は、賽子さいころごと双六板を蹴り飛ばすと、

璋子たまこや! 璋子んとこに行かんと」

と、彼の養女の部屋へ向かった。


『加茂河の水、双六の賽、山法師』に頭を痛めた彼は、

逆を言えば、神の領域さえ侵そうとしていた。




★☆★


《白河上皇》


1113年の強訴ごうそを想定。


彼が何をしに璋子ちゃん(数え13)の部屋へ向かったかは、

1115年に縁談が持ち上がったものの素行の噂により固辞され、その後、白河上皇の孫の鳥羽天皇の中宮となった彼女の産んだ崇徳天皇を、鳥羽天皇に

「『叔父子』って呼べばいんじゃね?(現代訳)」

と言った事からお察し下さいませ~。


思い通りにならない物に囲まれた彼は、思い通りになるもので癒されたかったんだよ。


NHK大河『平清盛』の伊藤四郎さんの白河上皇は完璧だったと思う。



☆★☆


次のお題は〖ノルマ〗


ノルマンディー上陸作戦は、関係ないね。

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