第20話 ギルドマスターとカイネ
「な、なんだありゃ!? ロ、ロボット!? っていうか、あれ!!! 最近大手のギルドを突然辞めたっていう不死川
「まじかよ!? あの不死川コンビ!? 最近名前をめっきり聞かなくなったが、まさか何かしてるのか!?」
「なんでこんなギルドに用があって…」
「あ、おい!! カイネ副ギルドマスターが見てるぞ!!」
「や、やべ!」
「お~ま~え~らぁ~!!!! おらぁぁぁ!! もう一回言ってみやがれ~!!!」
「「に、逃げろ~!!」」
二人の男がカイネから距離を取るように俺達の横を駆け抜けていった。
「っち!! 逃げられたか。 で? お前ら家族総出で俺に何の用だ? いや、俺らのギルドに用があるって感じだな?」
「大正解!! じゃ、ギルドマスターの所に案内してくれたまえ。 カイネ君」
「…なんだ、お前…この前より見た目が? 成程…解った。 こっちだ、手続きは不要だ。 ついてこい」
周りの人物の視線は俺に集中している…何故ならば。
ガタンッ…ガタンッ…ガタンッ。
「うっ…かっこいい」
「カイネさん?」
「な、なんだ!? 何でもないぞ!! さぁ、こっちだ!!」
エレベータに乗ると。
特に心配はなく、普通に上の階へ向かった。
「す、すげぇ…この重量でも動くのか」
「まぁな? こっちは魔石をふんだんに使用したエレベーターだ重量で駆動しないなんって事になっちまったら面倒だろう?」
「た、確かに…」
「にしてもお前…たった数日で何をやらかしたんだ? お前の家族が総出って事は碌な事じゃねぇのは確かだがな?」
やれやれと呆れた様子のカイネは親父や母さん、優香を見詰めながら疲れた表情を見せていた。
先程の話もそうだが、もしかしてこの3人ってそれなりに有名なのだろうか?
あれだけ異質な俺が居ても、それでも親父や母さん――――更には優香を見る目が違った気がした。
「さて、付いたか」
エレベーターはちょうど30階で止まると、すぐ目の目の前には大きな扉が見えた。
コンコン。
「だぁ~れ~?」
扉の向こうからは気だるけな声が聞こえて来た、声の質からして女性なのだろう。
なんというか、聞いてるこっちも気が抜けそうだ。
「アホ。 俺だ」
「おれぇ~? あぁ~褐色系俺様女子のカイネちゃんねぇ~どうぞ~」
「なんだそれ!! 入るぞ」
「どうぞぉ~!!」
ガチャ。
「きゃ~~~!!」
「目つぶし!!」
「ぐぁぁぁぁあ!! 何するんだ母さん!?」
「み、見るなぁ!? 創輔!!」
が、俺はその姿にくぎ付けになっていた。
「ほぅ~これはこれは」
「なんだぁ~お客さんも一緒かぁ~だったらいってよぉ~きがえたのにぃ~」
そうソファーの上に寝転がる女性は産まれたままの姿であった。
「おい、いい加減見すぎだぞ? ちょっとは遠慮しろお前?」
「あっ!! 何すんだ!!」
動画保存でもしておこうと思った矢先の事であった目の前を茶色い何かが遮る。
たわわに実った二つの日焼けした果実と”頭を上げれば”ゆでだこの様に赤く染まった顔のカイネの姿が。
「よし、お前はこっちな」
「え?」
「「「「あ…」」」」
そして俺は―――
再び部屋の外へ出されると。
「よし、アーマを脱げ」
「え…あの…」
「アーマーを脱げ?」
「…はい」
『アーマー解除』
ゴンッ!!!
俺の頭部に鈍痛が襲った。
「いってぇぇ!!!! なんで俺だけ!!! 不公平だ!!」
「な~にが不公平だ!? 見てたお前がわるいだろうが!!」
「なんで俺だけ怒られてんだ!! 皆みてただろう!?」
「そ、それはあれだ!! 色々と気に入らん!!」
「はぁ!? ふざけんな!!」
―――――――――――――――
「あはははは~!! ごめんごめん、ごめんごめん! 本当にごめんねぇ~!? あははははは!! あはははは!!」
目の前の女性は俺とカイネを見るや否や、腹を抱えながらゲラゲラと笑い始めた。
何がおかしいのか全く見当はつかんがなんかむかつく!!!
ちゃんと着替えて来たのはいいが、一行に話は進まない…
「なぁ…カイネ…」
「うるせぇ!!」
バシッ!!
「いてっ!!」
何故かカイネもこの有様。
「大変だねお兄ちゃん。 厄介なのに好かれちゃって」
「ん? 何が?」
「―――なんでもない」
ふぅ~と呼吸を整えた女性は真剣な面持ちになると話を始めた。
「さて、初めまして? でいいのかなぁ~? 私の名前はぁ~レイナ。 このギルド”レッドスコーピオンのギルドマスター”でぇ~す! 以後! お見知りおきを! まぁ~そこの三人は知ってると思うけどぉ~で? あなた達が居るって事は碌な事じゃないよね…」
何かを察したかのように、うちの両親と妹みたレイナさん。
他の三人はどういう反応なのだろうと見てみれば…なんとも悪い顔をしていた。
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