第5話 お取引先様
以前、事務員のお仕事をしていました。
急遽、異動が決まり、後任でいらっしゃる方への引き継ぎも落ち着き、その職場での最終出勤日。
就業開始時間と共に、沢山の電話が鳴りました。
私が、別の仕事をしていると「あ、あやえるは別の対応をしておりまして……。」と、彼方此方から私の名前が聞こえました。
異動の最終出勤日に私は何か粗相をしたのか……?と、不安になっている矢先、私も電話に出ました。
すると、お取引先の方から「あ!あやえるさん!今日で異動って聞いたからお礼のお電話したくて!あやえるさんが対応してくれて本当に嬉しかったからさみしいよ!次どこ行くの?!」と、いうお電話でした。
また、お取引先の方が私服でいらっしゃり、
「休日だったけど、あやえるさんが今日で最終出勤日だって聞いたからちゃんと顔見て置きたくて。会えなくなるのさみしいよ!」と、仰ってくれたり。
中には、「帰り道に家のお店来られませんか?あやえるさんにケーキを準備したのですが渡せそうになくて……。逆にご足労かけちゃうんですけど。」と、いう方までいらっしゃいました。
職場の皆様からも「あやえるさん宛に、最終出勤日だからお礼言いたかったって電話だから。しかも改めて話したいからお手好き時間いつ?だって。」と、私が携わった全お取引先様からお電話でした。
上司や他の方からも「本当に信頼されてても、こんな事ないんだよ。異例過ぎる。」と、言われました。
皆様に支えられてこそお仕事が出来ていました。
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