第2話 創作あるある? ねーよ!――トドメのフレーズ①

 ワタシは、2020年11月22日に「カクヨム」デビューした。

 それまで、小説投稿サイトでは「読み専」だった。


 それが、いまや「書き専」になってしまった。

 デビューから、もうすぐ一年。

 そこで、ここまでの活動を振り返ってみたいと思う。


 デビュー当時のワタシの執筆プロセスは、こうだ。


 ①通勤中に妄想する。

 ②仕事中に再び妄想する(いや、仕事に集中しろっ!)。

 ③帰宅中に三たび妄想する。

 ④Googleドキュメントに、あらすじ等を入力。

 ⑤あらすじを見直す。

 ⑥執筆を始める。

 ⑦完成したら、カクヨムにUP


 ワタシは、①~③のプロセスを松岡圭祐さんの『小説家になって億を稼ごう』(新潮社、2021年)にも登場する「想造」だと思い込むことにしている。



「よって著者たる貴方は、小説を原稿用紙の上で組み立てることに重きを置かず、まずは自分の脳内でしっかり作り上げるべきです。人の脳内で連想しうる物語だからこそ、読者の脳内にも浮かびやすいものになります」(前掲書23頁)


「小説づくりの肝は執筆ではなく『想造』にあると思ってください。作業の出発点にして最も重要な段階で、充分に時間をかける必要があります」(前掲書24頁)



「想造」段階では、登場させたいキャラと舞台となる場所をまず決める。


 最初に登場させるキャラは、何でもいいと思っている。初めから入念にキャラを作り込むことはしない。


 黒猫、イヌ、鳥、アニメ・漫画キャラ、歴史上の人物、友人、恋人、たんなる知り合い、通りすがりの人、俳優、そして自分……。


 どれか一つを選んで、動かしてみる。自分とのカラミで動かす方が作りやすいかもしれない。


 たとえば、通勤途中、とててててと前を歩く黒猫が、ぴたっと立ち止まり自分の方へ振り向いたとする。


 これを起点に、お話の妄想をスタートさせる。


 振り向いた黒猫が、なんと「この先には行かない方がいいよ」警告した、と続けてみる。


 その後は「なぜ?」問いかけてもいい。シカトして、そのまま進んでもいい。

 とりあえず、何かが始まる。


 ……通勤中、仕事中、そして帰宅中、ワタシの脳内ではこのようなシーンがつぎつぎと浮かんでは消え浮かんでは消える。


 じつは、ワタシの脳内は、少年時代からこんなカンジである。


 ごくまれに、うっかり通学中のバスの中で悲しいシーンを思い浮かべて涙をこぼしてしまうこともあった。

 見知らぬ女性に「どうしたの? 大丈夫?」と心配そうに尋ねられたのも、黒歴史のひとつ。


 このとき、「答えに窮する」という言葉を知った〇歳のワタシ(笑)


 もちろん、今は……ほとんどない。


 最近では、岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社、2009年)を立ち読みしながら、泣いた程度であるw


 さて、ある程度まで「想造」が進むと、すぐに執筆にかかりたくなる。

 「とりあえず、忘れないうちに書いてみよう」と考えて、執筆に取りかかってしまう。


「『想造』は物語の最後まで思い描く必要があります。「だいたい固まった。そろそろ原稿に取りかかろう」というのは拙速な判断です。メモをとらなければ忘れるという不安に駆られるかもしれません。それでも書かずに過ごしてください。忘れるような内容なら忘れてしまえばいいし、必要ならまたふと思い出すものです」(前掲書33-34頁)


 ……ぐっ、か、書きたい。書きたいのに、ダメなの?


「じゃ、そろそろ書かせてあげようか? いや、まだダメだ。もっとうずうずしなさい!」(ブレイク・スナイダー(菊池淳子 訳)『SAVE THE CATの法則』(フィルムアート社、2010年)108頁)


 おあずけです。

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