第1-1話 春

 春は出会いの季節であるとは、よく言ったもので。

 変わらず寒い日が続いた為、桜並木になるはずの大学の正門前の桜の木が、まだポツポツとしかピンク色をつけていない間に、俺達は大学二回生になった。

 それは、なるほど、波乱の始まりだった。



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