第55話 例えばお前が

「例えば、俺の親友が霊島れいじまだとする。あいつはどぅー貞同志なだけなんだがな?」


「はい……」


「詳しいことはわからんが、お前の顔が原因であいつが死んだとする。もうあいつは幽霊で故人だけどな?」


「はい……」


「そしたら、お前に聞くだろう。どうしてだ、と。そうしたら、お前は何て言う?」


「…………。殺したくなんて、なかった……っ!」


「…………」


 今までの事を思い出していたんだろう。涙声だった。


「……うん。なら、許すよ。と、俺は言うだろう」


「え……?」


「殺意があった、とかなら、たとえフェルデンでも許せないけど。まだ一緒にいた時間は、短いけど。そんな奴じゃないことくらい、豆でもわかるから」



『だから、たくさん優しくしていただいた分、お返しを。……ううん、いただいた分より何倍も優しさやありがとうを返すって決めたんですっ』



「殺人じゃなくて、優しさやありがとうを、返したいんだもんな?」


「——はいっ」


 フェルデンは大きく深く頷いた。


「……うん。だから、俺はお前を信じる。なんたって俺は! 豆星からやってきた! 優しい奴の味方! 伝説の剣士スグトラルだから!」


 こういう時の、必殺エアーソードを腰から抜いた。


「ふふっ、ありがとうございます、スグトラルさん」


 名前を呼ばれたみたいで、なんか嬉しいぞ!


「どういたし豆! 俺は先に行きっ、悪の組織のミーヤドスを倒しておくから! 後からゆっくり来るといい!」


「……はい」


「待っておれー! ミーヤドス!」


 くるっとフェルデンに背を向け、エアーソードを持ったまま走り出した。











 走りながら、大昔、卒業式なんかでよく歌われていた曲を思い出していた。


 —例えば君が傷ついて—

 —涙しそうになった時は—

 —必ず僕が傍にいて—

 —支えてあげるよ、その肩を—


「…………」


 俺は、汗臭筋肉豆だから、物理的にしか支えてやれないけど。


 例えばお前が傷ついたその時は、運動神経だけはいいこの体を活かし、どんなに遠くにいても駆けつけて、必ず傍にいてやるからな。


−−−−−−


 あとがき。


 AIイラストで、イケメン女子を作るのが楽しすぎる(笑)


 よければフォローやお星様をポチしてくださると、近々、イケメン女子を公開します(笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る