ある練金術師サラ・グレースの物語

宇宙明星

第1話 こんな人生でいいのか

 私、国木沙羅は、今日で40歳になる。アパートで独身生活を満喫中…なので、ひとり寂しく誕生会をしようと計画中だ。結婚した友人達も家庭を持ち、忙しい日々が続き、やっと落ち着いてきたところだ。ここ10年ぐらい連絡も取っていない。平日は、仕事と家の往復で、生活に追われて遊んでる時間はないし、休日は、趣味のネット小説を読み漁る日々を過ごしている。


 こんな事ではいけないと、流石に思っているけれど、心に身体がついてこない。この年になって、初めて後悔した。20代で結婚して、子どもをつくって家庭を持ってればな…。そのころは、まだ大丈夫と思って焦らなかったけど、今は老後が不安だよ。


 なんて、後悔してても、どうにもならないので、気を取り直して、家の近くのコンビニにケーキでも買いに行こう。コンビニまで歩いて、10分だ。田舎ではかなり近い方だ。夜道は、危ないが夜空に金星が見え、綺麗だと思えた。

 星を見ながら、ゆっくり道を歩く。道のそばで、虫の声が聞こえてきた。チロ、チロ、チロリンと虫の声がした。


 あと少しで、コンビニだ。

「あっ、信号が青から赤に変わる。急いで、渡らないと…。」

私は、走った。急いで渡ろうとしたら、右から、キーという音と車のクラクションで振り向くと、眩しいライトの光が近づいてきた。ド、ドン、ドサとい音ともに体が宙を舞い、地面に突っ伏した。私は、身体中に痛みを感じながら、

遠くでだれかかが、

「おい、大丈夫か」「誰か、救急車を呼んでくれ」

という大声を聞きながら、意識がなくなった。


次、目が覚めた時は、白い世界であった、周りを見ても誰もいない。不安になったので、声をかけてみた。

「だれかいませんか?」

すると、どこからか、声がして、

「はい、国木さん、こちらのミスで本来の貴女の寿命より早くお亡くなりになりました。」

「貴女は、3つの選択肢から、魂のゆくえをどうするのか選ぶことが出来ます。」

「私、死んでしまったんですか?冗談ですよね」

「冗談ではありません。どうしたら信じてくれますか?」

「今、白一色の世界から、宇宙の壮大な風景に変更できますか?それが出来たら、私は神様と認めるよ。」

「分かりました。」パチン

「えっ。凄い。そっか、私死んでしまったのね。」

「話を戻しますね。一つ目は、地球のどこかに輪廻転生する。二つ目は、私が創った世界ガイアスへ転生。三つ目は、魂の浄化です。」

「どれにしますか?」

「質問してもよろしいでしょうか?」

「2つ目のガイアスという世界は、どんなところですか?」

「剣と魔法の世界です。危険な魔物もいます。」

「剣と魔法の世界‼︎ファンタジー小説定番だね。私は能力とか選べますか?」

「こちらのミスでお亡くなりになったにで、特典を3つ付けてもいいよ。」

「では、無限収納、錬金術、魔法の能力をお願いします。」

「話の流れからすると、ガイアスへの転生でいいんですね。では、ご希望の能力をつけましょう。」

「いざ、ガイアスへ。」

…眩しい光を浴びた。


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