嫁ぐ娘に賢い母より。菜根譚、家庭の中の仏

 ユダヤのタルムードから。

 嫁ぐ娘に賢い母からの助言の形を取っている。

 

 我が娘よ、もしお前が夫を王のように尊敬するなら、彼はお前を女王の様に扱うだろう。しかしお前が奴隷娘の様に振る舞おうとしたら、夫はお前を奴隷の様に扱うだろう。

 尊重は尊重を呼び、卑屈は隷属に繋がるのかも知れません。

 

 もしお前があまり自尊心が高くて彼に奉仕する事を嫌ったら、彼は自分の力を使ってお前を女中にしてしまうだろう。

 確かに好きあって夫婦になったのに主導権争いの様になってしまえば愛のない関係になってしまうかも知れません。


 もし夫が彼の友人を尋ねる時は、彼を風呂に入れ身嗜みを良くして送り出すようにすべきだ。もし夫の友だちが家に遊びに寄ったら出来るだけ良くもてなすべきだ。そうすれば、夫から大切にされるだろう。

 これはこころにくい扱いでしょう。男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く。夫は妻のお陰でイイ男になるものです。


 常に家庭に気を配り、彼の持ち物を大切にせよ。彼は喜んで貴女の頭上に冠を捧げるだろう。

 タルムードの世界では他の文化にも多いですが、男性を立てなさいと言う不文律が下敷として存在しています。現在の男女関係では難しいかもしれませんがいつの世も良妻賢母は求められるのでしょう。尊重された夫が妻に冠を捧げるだろう…これは賢い母の最も伝えたかった「夫の操縦の仕方」なのかもしれません。



 大陸の菜根譚に曰く、家庭には仏が宿る。故に出家の必要は無いのだ。

 その仏が宿る家庭を形作るのは大陸でもやはり良妻賢母であったりします。

 子は鎹「かすがい」と言われ、夫婦となったら子が生まれ血の繋がりの絆が生まれもします。ですが子が生まれる迄は「愛」の出番です。「忍耐」の出番です。

 今回の賢い母の助言は時代を超えて正鵠を得ているように思われます。

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