第36話嗜好品あれこれ
煙草
ある海外の煙草メーカーがありました。
嫌煙の世の中ですが、紙巻たばこと喫煙具を作っていました。
2020年でしょうか。
そのメーカーが煙草から「完全に」手を切りました。
紳士の煙草
最盛期にはそう呼ばれた名高いメーカーは
「完全に」と申した様に
社の歴史から煙草を消し去る
と、決めたそうです。
私は愛煙家ではありませんが、相手が愛煙家の時はちょっとした喫煙具を贈ったりしていました。
不健康な煙草に加担するなんて何事だ!
と、お叱りを受けそうですが、煙草は確かに火を使い、煙も出しますが。
車を運転しながら吸っていても「違反」にはならないのです。飲酒運転とながらスマホは取締りですよね。
不可思議かもしれませんが「喫煙運転」は大丈夫なのです。
ですからマナーの良い愛煙家様にはお贈りしてました。
ですが往来では喫煙所でなければ駄目です。歩きタバコは駄目ですね。
私は煙草に詳しくなく、相手に煙草の好みが有りますから煙草そのものを気軽に贈りはしませんが、事前に相手が「オイルライター」を使っていたなら、火打ち石のフリント、もしくは上質なオイルを共に。
愛煙家の方はライターのオイルでも煙草の味が変わるとおっしゃるので、そこは気を使います。
もしくは日本に縁の深い煙草。
現在は海外に製造拠点を移してしまいましたが、昭和の帝の即位を祝い日本で作られた「グロリア」と言う葉巻があります。
昔は愛煙家であられた帝が、功労のある人に「下賜」をされた葉巻であり、献上品の葉巻の王冠には御紋が入っていたそうです。
現在は献上品ではないので御紋は入っていませんが、日本人好みに作られた初めての葉巻ですから、葉巻を嗜まれる年長世代の祝の席にお贈りしたりしました。
葉巻やシガリロは紙タバコと違い、シガーサロンでの喫煙物です。
愛煙家には花束より喜ばれました。
ですが、未成年の喫煙は「違反」です。
絶対に喫煙しないで下さい。
お酒
韮剪つて、酒借りに行く、隣哉
正岡子規の作だと思いますが…遥か昔に聞いた句です。
韮はかつての庭先によく植えられていた野菜です。年配世代の方は、貧乏した若い時分に河原に韮を刈りに行って食べたと言いました。
正岡子規も、庭で韮を刈取り、それで菜を拵えて、肝心の「酒」は隣家に借りに行ったと言う句です。
そして詳しくはないですが、それは清酒か焼酎か。
私はそこも気になります。
江戸の節約術として、清酒は酔えるが分量が多くなります。更に江戸の周りの酒は酔が醒めやすかったと記述があり、それなら「焼き酒」。焼酎のが幾らも呑まずに酔えて懐に良いと書かれています。
正岡子規の句を引用したので韮の話に行きそうですが、お酒の話です。
近代に移りまして。
戦後復興をしてくると「ウイスキーブーム」が到来したそうです。
そして今より飲酒については緩く、「呑み助」も多かったそうです。
ある本の作者は、国産の安いウイスキーを高級な外国ウイスキーの瓶に詰めて来客に提供した…「見栄」を張ったそうです。
その作者さんの面白い?話ですと、来客時に「膝を打って」家人に「この人に一杯」と言いますと、外側外国瓶のなんちゃってウイスキー。
「額を撫でて」家人に「この人に一杯」と言うと、本物の虎の子の外国ウイスキーを出したそうです。
明くる日「膝を打って」酒を出そうとすると、来客が「額を撫でて」…「出来ましたらこちらを頂きたく…」と、申したそうです。
どうやらその来客は「膝」と「額」の「合図」を知っていたみたいですね。
お酒もそんな話も伝わり、文化としても面白いです。
ですが、煙草でも申しましたが、喫煙や飲酒は未成年ですと「違反」です。
絶対に呑まないで下さい。
でないと上記の二品は突然牙を剥く事が有ります。
アルコール中毒
知人の料理人さんの同僚のお話です。
昭和時代。
厨房に真っ先に入っている年配の料理人さんが居たそうです。
「先輩に負けてられないな」
そう思った料理人さんがその年配の料理人さんより早く厨房に入っていますと、その人がやってきました。
驚く事にその年配の料理人さん。手が震えて包丁が持てないのです。
これはどうした事だ…と、訝しんでいると。
年配の料理人さんが料理酒と味醂を棚から取り出して両方をコップに混ぜて注ぎ、勢い良くあおったそうです。
それからすぐに手の震えが止まり、いつもどおり仕事を始めたそうです。
はい。その年配の先輩料理人は「熱心だから」早出していた訳では無く
「アルコール中毒」だったから、誰も来ないうちに「駆けつけ一杯」いや、駆けつけ三杯はやっていたそうです。
スーパーに行かれる人、料理をされる人ならお分かりと思いますが「料理酒」には「塩」が入っていてアルコール飲料として売れなくなっています。
ですが「本味醂」はアルコール飲料。
ですが本式の味醂は甘いのです。正月の御屠蘇にも使われますね?
甘い味醂と塩っぱい料理酒。それを「カクテル」する事で塩梅よくして呑んでいたのです。
知人の料理人さんは誰にも言えず、「早出」は止めたそうです。
「手足の震えが酷かったな。あれが中毒と言うものだろう」
そう語って下さいました。
煙草不審火
私は煙草は基本やりません。
何せ苦学生として新聞配達をしながら勉学をしていた時に。
社員の「寝煙草」が原因で
寮が「全焼」しましたから。
早朝の配達で出払っていたのと、私の配達区域に寮があり、第一発見者が「私」
無人の寮が「明るい」ので、嫌な予感がして近づくと「熱く煙たい」のです。
それからは新聞配達どころではなく、近隣に「火事だ!逃げろー!」と叫んでまわり、消防車を呼びました。
幸い死者は出ませんでしたが、火元が社員の寝煙草だと分かると悔しくて悔しくてなりませんでした…
もしお酒や煙草を嗜まれるなら…人を不幸にする可能性がある事を覚えておいて欲しいのです。
如何でしょうか?
この二品はとても良い顔と悪い顔のある嗜好品です。
お好きな方も多いと思いますが、どうか「悪い顔」を出現させない様にご注意を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます