のろまのトンタ ①トンターマン誕生への試練

@nukatosi

第1話 プロローグ

 宇宙の空間にひときは青白く光り輝いている宝石のような星があった。 

 その星は近年、その輝きが徐々に失われて行くのが感じられていた。


 この星が誕生したのは、今から四十六億年ほど前のことであった。その頃はマグマで真っ赤に燃えたぎっていた。


 それから、気の遠くなるような年月を経て、この星は奇跡的に生物が生きていける素晴らしい環境になっていった。

 そして、知能を持った新人類が誕生したのは今から約二十万年から三十万年前の頃であった。

 その新人類は、より快適な生活、より便利な社会を望み、道具、住まい、そして社会を作り、自然の恵みを生かして生活していた。

 二百年程前の十九世紀になると産業革命が起こり、大きな工場が作られ煙突等から煤煙等を多量に排出するようになり、この星は汚れていった。

 さらに、自動車等の便利な製品が作られ、製品からも有害なガス等が排出されるようになり、この星は加速度的に汚れていった。

 また、未開の国では収入を得るために、森林を伐採して木材を売り、森林を焼き田畑を開墾したために森林の面積が少なくなり、森林が行ってくれていた大気の浄化が少なくなって行った。


 このように、気の遠くなるような年月を経て奇跡的に作られた素晴らしい環境の星が、僅か二百年足らずの短い年月で環境が悪化し、気候変動が起こり、世界のあらゆる所で大雨、干ばつ、強風、山火事、地震等の天変地異が発生し、この星は崩壊し始めている。


 このままでは、人類を含めた生物が生きていけなくなってしまう悲しい星に、まさになろうとしていた。


 だが、この崩壊し始めている星を助けようと動きだしている者がいた。

 それは、死者が住むと言う、黄泉よみの世界にある、天国の国王であった。


 この星の欲の深い指導者たちを金であやつり、環境を破壊させ、この星を乗っ取ろうとしている異星人が、この星の地下深くに潜んでいることを、天国の国王は知っていた。

 



          


 



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