第25話 巫女帰還

 五月四日。朝。


 後着女子四人が起きてくると、既に朝食が用意されていて、食卓に着く。


 なにしろ人数が多いので、今日は朝食後、すぐに交合することになった。

 温泉で体を清め、皆そろって白の薄着物姿で、交合のに移動した。


「さて、今日の順番はどうするのじゃ?」


 祥子の問いだ。


「まず、私たちで良いのですのよね~。

それでしたら~、昨日の逆でどうでしょう~。

沙織、最後で精液薄かったかもしれないし~」


 恵美の、のんびりした答え。しかし、実は、これは恵美の建前……。


(最初にした私は、一番時間が短かった。

折角だから、沙織の、あの凄いの、私も体験してみたいかも……)


と、これが恵美の本音…。

 まあ、恵美の本音はどうあれ、問題の無い提案である。


「そ、そうよね。妊娠するには濃い方が有利よね。

昨日のでは、私が一番薄いってことだから…」


と、沙織も同意。

 ということで、昨日に続いて、難なく順番が決まった。


 舞衣と祥子は、午後にすることにしているので、初めから選択肢に入っていない。しかし、同席はしている。

 皆で見守る中でスルのが、決まりのようになってしまっていた。



 一番手の沙織は、着物を脱ぎ、ベッドに上がる。


「よろしくお願いします。あ、あの、できれば、少し御手柔らかに……」


 昨日とは違い、すっかり、しおらしくなっている。


 沙織が、眼鏡を外す。

 置き場に困っているのに恵美が気付き、預かっていった。

全くもって、恵美は気が利く子だ。


 沙織はベッドに仰臥し、今日は目を開けている。胸も隠さない。

 慎也は髪をで、豊かな胸を…。


 ゆっくり、じっくりと愛撫……。


「あ~、う、うあ……」


 脚を持ち、広げさせて…。

 こちらも、ゆっくり、じっくり愛撫……。


 そして、十分濡れたそこを確認し、合体……。


「あ~、あ~!」


 ………。


 …………。


「あ~、あう! ダメ! あ~!!」


 沙織が体を痙攣させると同時に、彼女の中深くに精が放たれた。

 しばらく、そのまま…。余韻の時間。


(うう、気持ちよかった……)


 決して、そんな言葉を口には出せないが、沙織はしみじみと、そう感じた。

 あれほど嫌だった精液を入れられるのが、何故か嬉しくて仕方ない。

入れてもらった精液を一滴も溢したくないと思う自分がいた。信じられないことに…。


 何故か…。

 分からない。


 帰りたいから?

 …いや、多分違う。


 途轍もなく気持ち良かったから?

 それもあるが、それだけでは……無いと思う。


 そして…。

自分の今までの価値観と信条的に、この気持ちは決して認めたくは無いのだが……。




「「次は、私たちです!」」


 杏奈と環奈が駆け寄って来た。

 沙織は、今、結合を解かれたばかりだ。


「ちょっと。急かさないでよ!」


 沙織の抗議に、二人はムッとする。


「何ですか、お姉様! 破廉恥だとか何だとか言ってたのに」

「とっても気持ち良かったんでしょう! 認めなさいよ」


「何言うの。私は帰りたくて、仕方無しにしてるだけです!」


「昨日はお漏らしもして、よくそんなこと言えますね!」


「お漏らしじゃない!」


「この強情ごうじょっぱり!」


「うるさい!」


 言い争いを微笑ましく外野が眺めていると、双子の一人、杏奈がお腹を抱えた。


「あ、あれ、熱い……」


 続いて環奈も、


「私も熱い……」


 祥子があわてた。


「おお~、其方そなたらも、一発妊娠か? 早う、服を着ろ!」


 恵美も、腹部に異変を感じていた。下腹部が熱い感じ……。


「あ、あの、私もお腹が」


「なんと、其方そなたもか。服を着よ」


 帰ることが出来るのは、勿論もちろん嬉しいのであるが、恵美は思った。


(う~ん、残念。私あれ、体験できないのか~)


 しかし、そんな場合ではない。うかうかしていると、裸のまま帰ることになってしまう。


 来るときに着ていた洋服を急いで着終わったと同時に、三人は白い光に包まれ、そして消えていった。


 四人のうち、一人残された沙織は呆然ぼうぜんとしている……。


「何? 私は?」


「もう少し待ってみよ。昨日、一番最後にしたじゃろが」


「はい……」


 しかし、五分、一〇分と待っても……。


「何も感じぬか?」


「はい……」


「やっぱり、最後で薄かったかのう」


「嘘だ~!」


 沙織は泣き出してしまった…。


 しかし、その翌日朝には、沙織も無事に戻っていった。



 本当に取り残されたのは舞衣である。千年戻れずにいる祥子は別格として。

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