第12話 三人での交合 祥子


「さ~て、次はワラワの番じゃ」


 既に裸になっていた祥子はフワッと浮き上がり、スーとベッドまで滑るように空中を移動して来る。…浮遊術。自分で自分を浮かせて移動しているのだ。

 やはり、とても人間とは思えない。


 ベッドから降りた舞衣と入れ替わりに、祥子は慎也の正面にフワッと着床し坐った。

 そして、いきなり慎也の口に吸い付いた。


 祥子の舌が、慎也の口の中をまさぐる。

 慎也は目を閉じた。


 舞衣とは少し違う、甘い香り……。

舞衣の香りも心地良く素晴らしいが、こちらも捨てがたい魅力をもつ…。


 されるがまま、ネットリと、舌をからませ合う。


 祥子は、そのまま慎也を押し倒した。

メロンのように豊かな乳房が慎也の胸に押し付けられる。

 慎也の股間のモノは、さっき一度事を為したばかりなのに、もう使用可能になってしまった。


 祥子は再び空中に少し浮き上がる。浮いたまま、仰臥した慎也の真上、ゆっくりと降下する祥子…。


 舞衣の時と全く異なり、慎也の方からは何もしていない。

 が、既に二人は合体状態になっていた。

 別段、男の方から準備行為をしなくとも、女性側の準備が完了しているのなら何の問題も無いことだ。


 祥子が上に乗る形での激しい攻めが続く…。

 方向を変えたり、角度を変えたり…。浮遊するという人間技ではない能力を行使してのモノだ。これは他の誰にもマネできない…。


「あ、で、出る!」


 慎也はアッという間に果ててしまった。同時に、物凄い脱力感で動けない…。




 一方、舞衣は、ベッドから降りるなりに繰り広げられた痴態にその場を離れる機会も失い、間近に立ったまま呆然ぼうぜんと見ていた。

 あまりの祥子のすさまじさに、開いた口がふさがらない…。


 だが、これで終わりではなかった。


「さあて、もう一度じゃ。何しろ六十年、この若いままの体を持て余して居ったのじゃ。十分に満足させてもらうぞよ」


 祥子は、再び慎也に口付けする。舌が慎也の口内をまさぐる。


 慎也は、自分の中に口を通して祥子から何か流れてくるのを感じた。

 唾液とか、そういった実体のある物では無い。

 気配のようなモノ。温かい感じ…。

 昨日、祥子に治癒能力を引き出された時にも感じたものだ。


 祥子は口を離し、慎也の顔を見る。

目が合った瞬間、ニヤッと笑った。

 よく見れば、いや、よく見なくても、彼女も舞衣同様、物凄い美人。知的な印象の麗人である。

 また、胸の大きさでは舞衣を凌駕している。大きいばかりで無く、張りもあり、形も良い美巨乳だ。


 祥子は、通常状態に戻っている慎也モノを手に取り、くわえ込んだ。

口の中でナニヤラされ、ヌッと出されると、それは、みごと復活を遂げていた。


「うそっ…」


 相変わらず、立ったまま、見つめていた舞衣は、思わず声を出してしまった。


(二回続けてしたばかりなのに、それでまた? 男の人って、そんな何回も続けて出来ないんじゃなかったっけ…)


 舞衣の驚きを他所よそに、ベッド上では休みなく痴態ちたいが繰り広げられる。


「さて、今度は其方そなたが上になってたもう」


 横臥した祥子に、慎也は素直に従った。

 実は慎也自身も驚いていたのである。続けて、こんなすぐにつなんて…。


 しかし、実際っている。

 するのが役目で、おまけに目の前には超絶美女。

 儀式と舞衣のも含め本日四回目だからといって、断る理由は微塵もない。


 慎也が上になっての繋がり…。


 祥子に乞われるがまま、動く…。


 しばらくして……。


 二人の呻き声と同時に動きが止まり、慎也は果てた。


 少し間をおいて、慎也はゆっくり繋がりを解く。

出てきたモノは、既に小さくなっている。

 当然である。連続三回目(慎也にとって、本日四回目)だから。しかし…。


「まだまだじゃぞ」


 祥子から、信じられない言葉が発せられた。


 またもや、慎也の唇を奪う祥子。舌が入れられ、まさぐられる。

 何かが注入されてゆく感じ。さっきと同じだ。


(これは、いったい何だ?)


 股間に力が戻る感じ…。


 祥子は慎也の唇を解放し、また彼の小さくなっているモノをカプッとくわえ込んだ。

 すぐに彼女の口の中で、それは交合可能な状態にされた。


「え~っ!」


 やはりそのまま立って見つめていた舞衣は、驚愕でへたりこんだ。


(また、大きくなってる! いや、大きくさせられた? 吸い尽くすって、こういうことね…)




 ベッドの上では、祥子との三回戦(慎也にとって、本日五回目)が繰り広げられている。


 今度は後ろからの、後背位という体位をねだられる。

 これでも、あっという間に果ててしまう慎也。


 それでも解放しない祥子。四回戦(本日六回目)は、最初と同じ祥子が上になって…。


 そして、終わったと思ったら、祥子は、また…。


「あ、あの~、祥子様。さすがにちょっとまずいんじゃないですか?」


 たまらず舞衣が声をかけた。


「うんっ?」


 祥子は舞衣を見、そして、組み伏せている慎也の顔を見た。


 ゲッソリしている慎也……。


「そ、そうじゃな…。久しぶりじゃったので、我を忘れてしもうた」


 少し照れたように笑う祥子…。


「まだ、明日からもあるしの」


 舞衣のとりなしによって、慎也はやっと祥子から解放された。

 そして、ベッドで大の字になったまま、思った。


(毎日これが続くのか? し、死ぬ……)


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