第33話 舐めるように風が
「うがぁ、がぁ。お前も俺の敵か」
授業中、幻影魔法と魔力感知の合わせ技を用いた透視眼鏡魔法で、女の裸を堪能していたら、とつぜん男子生徒の一人が暴れ始めた。
こいつは被害妄想か。
俺なんか女生徒に何時も白い目で見られているぞ。
我慢が足りん。
「秘孔魔法・金縛り拳」
男子生徒が金縛りになる。
「ふんがぁ」
金縛りを解きやがった。
「仕方ないな。秘孔魔法・石化拳」
男子生徒が石化する。
学園の警備員が駆け付け、男子生徒に魔法封じの枷が掛けられたので石化を解く。
男子生徒を見ると魔傷が酷い。
全身が魔傷だらけだ。
ついでに治しておいてやろう。
「はっ、俺は何で枷を掛けられているんだ」
「暴れたのを忘れたのか」
「さっきまで何をしていたのか思い出せない。今日は何日だ」
「18日だよ」
「なんだと、1週間も記憶がない」
記憶喪失になる呪いにでもかかったのか。
それとも暴れる呪いの副作用か。
「リリー先生、この生徒は何かおかしい。呪いにでもかかったようだ」
「そうですか。では色々と調べないといけないですね。連れて行きなさい。記憶を失う前に何をしていたか念入りに調べるように」
「はい」
警備員が男子生徒を連れて行く。
俺は放課後マッサージ屋を開店した。
最初の客は女生徒だった。
「エステを希望するわ」
「じゃ、アイナ。後は頼んだ」
「はい。じゃ下着姿になって寝台に横になって」
「ええ」
俺は女生徒が見えないパーテーションで区切られた奥に入った。
魔力感知で女生徒を見る。
あれっ、魔傷が酷いな。
麻薬の魔傷とは違うな。
精神魔法の魔傷に似ている。
老廃物を取り除いたら治してやろう。
「ぽかぽかしてきたわ。気持ち良いのね」
施術が終わり。
「シャワーが欲しい所ね」
「それは寮に帰ってして下さい」
「アイナさん、ありがとう」
「どういたしまして」
客の女生徒が帰って行く。
精神魔法の魔傷の生徒が次々に来る。
精神魔法が流行っているのか。
俺には関係ない事だ。
今日はもう店じまいにしよう。
「アイナ、エステしてやるよ」
「駄目よ。代わりにエッチな事させろって言うんでしょ」
「いやだな。そんな事しないよ。綺麗にしてあげるだけだよ」
「じゃやってもらおうかな」
まずはエステをやって。
さあ、ここからが本番だ。
ローションを垂らして、そよ風の手四本と素手でマッサージをする。
これだけでも感触がいいな。
止めにそよ風で耳かきを作って入れる。
「ひうっ、ちょっとエッチなのは無しって言ったでしょ」
「耳垢を掃除しているだけだよ。そよ風なら傷つける事もないし」
「あっ、駄目っ。止めて」
「ふふ、こんなのでは終わらないよ。隅々まで、そよ風で綺麗にしてあげる」
快楽結界を発動。
そよ風の舌で色んな所を舐める。
風は下着を着ていても関係なく侵入する。
本当は全裸でやりたいんだが。
「やんっ」
※済まない、ここから先は自主規制なんだな。
「ヒー、ロー。分かっているわよね」
「俺は綺麗にしただけだよ」
「あんな所をやる必要ないでしょ」
「あんなところってどこだ」
「耳の穴でしょ。脇の下とへそでしょ。それから……」
「どうした。あれっ、言う勇気がないのかな。どこを綺麗にしたか言わないと、被害が出たか判断できないぞ。ほれほれ」
「言えるわよ。お尻の……」
「肛門と乳首だったよね。それから何だ」
「恥ずかしくってこれ以上言えない。って何を言わせるのよ」
「恥ずかしさに身もだえる表情、頂きました」
「もう許さないんだから。
「ふふふっ、秘孔魔法・霧散拳」
「それは前に破ったわ」
そうだった。
秘孔を突こうとしたら、魔法が避けたんだった。
「ぶほっ、ぐぎゃ」
滅多打ちにされた。
「酷い。エロ魔法道のパートナーになる話はどうなったんだ」
「だって恥ずかしいんだもん」
「よし分かった。エッチな事するたびに、何でも言う事を一つ聞いてやる」
「むー」
アイナが長考に入った。
「ほんと、何でもいいのね」
「ああ、出来る事ならな」
「分かったわ。その条件を飲んであげる」
「話は聞きましたわ」
「モーラ、いつの間に」
「私もその条件を飲みますわ」
やばい奴に話を聞かれてしまった。
モーラだと他領を侵略してきて下さいましぐらいは言いそうだ。
だが、断ったら、同じ婚約者で差をつけるのですかとも言われそうだ。
「仕方ない。エロの為ならどんとこいだ」
「さすがですわ。婚約者に白紙の委任状を渡すような所業。太っ腹としか言いようがないですわね」
「何を頼もうかな。楽しみ」
「言っておくが出来る事だけだからな」
あーあ、エロの為とは言え、とんでもない事を約束した気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます