第19話 盗賊退治はエロくない
俺達は試験休みを利用して盗賊退治に出た。
俺とアイナとモーラ三人で馬車に乗り囮に。
森に挟まれた街道を走っていたら馬車が停まった。
魔力感知に盗賊達が感じ取れる。
「ちょっと退治してくる、
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」
馬車の扉を開けると盗賊が取り囲んでいるのが見えた。
「うひょー、良い女が二人も乗ってやがる」
「最初に使うのは俺だ。がはははっ」
俺は馬車の扉を閉めた。
お前達に見せると汚れる。
「
俺は振動刃魔法付きのそよ風ナイフを振るった。
盗賊の一人が血しぶきを上げて倒れる。
「隠蔽魔法を使っているに違いない、とにかく何かを当てるんだ。そうすれば隠蔽は解除される」
そうなんだよ。
隠蔽魔法は触ると解除される。
これを使って痴漢は出来ない。
透明化魔法なら別だが。
盗賊は四方八方に小石を投げ始めた。
俺は当たりそうな小石をそよ風のナイフで弾いた。
「小石じゃ駄目だ。魔法を使え」
「
「
「
盗賊は四方八方に魔法を乱射。
俺は秘孔魔法・霧散拳で当たりそうな魔法を潰した。
秘孔魔法・反射拳を使わなかったのは、反射した魔法が馬車に当たるかもしれないと考えたからだ。
そして秘孔魔法・死弾を乱れ打ち。
次々に盗賊が毒によって倒れた。
「
無駄だよ。
秘孔魔法・霧散拳して、首をかき切って終わりと。
「嫌だ。俺は逃げる」
秘孔魔法・金縛り拳。
残り全員を金縛りにした。
「ふんがぁ」
ボスが金縛りを解いた。
お、オークジェネラル並みの奴だな。
「道連れにしてやる。
無駄だよ、無駄。
秘孔魔法・反転拳。
爆発が氷に変わる。
ボスはまだ生きている。
「本当の炎はこうやるんだ。
ボスは消し炭になった。
金縛りになっている盗賊を一人だけ残して後は始末した。
残された一人を尋問する事に。
「アジトはあるのか」
「あります。案内出来ます。殺さないで」
「よし、3人で見張っているからな。おかしな行動を取ったらすぐに始末する」
「へい」
盗賊のアジトに俺達は向かった。
見えて来た。
テントが10張り以上ある。
俺は隠蔽魔法を掛けて見張りに近づき殺した。
魔力感知がテントの中に女性のシルエットを捉える。
中を覗くと汚い恰好の女性達が震えていた。
目のうつろな女性もいる。
一様に怯えた目をしているのが印象的だった。
「助けに来ました」
「男性に触られると、どうしようもない程、怯える子もいるから気を付けて」
「女性を呼んで来る」
アイナとモーラを呼び彼女達の世話を任せた。
「彼女達はこれからどうするんだ」
「どうにもできないですわ。街に連れて行き、解放して終わりになります」
「薄情じゃないか」
「支度金をいくらかは出せるでしょう」
「普通の生活を送れるようにしてやらないのか」
「とてもそこまではできませんわ」
「俺に任せろ、ちょっと試したい事がある」
彼女達を街まで連れて行き、行く宛のない人には残ってもらった。
俺の金で店舗を一つ借り、そこに椅子とテーブルを置いて、喫茶店をやる事にした。
調度品など何もない喫茶店。
こんなの流行る訳ない。
そこでだ。
人除けの呪物を作る。
効果を反転して快楽の呪物にした。
ただし、効果は非常に低くだ。
この呪物の効果空間にいると気分が良いように調整した。
一週間後。
「この店は実に落ち着くね。読書するのに丁度いい。いつまでも居たいぐらいだ」
「あっ、オーナー」
「店はどうだ」
「儲かってます。怯えて普通の暮らしが出来ない子も、この店の中なら普通に暮らせるんです」
「そんな効果がな」
「ヒロ、これを沢山作ってちょうだい」
「アイナが使うのか」
「あなたの贖罪よ。あなたが痴漢した女生徒の中には、男性恐怖症になってしまった女の子もいるんだから」
「えっ、俺のせいで。できる限り償いはするよ」
俺はなんて馬鹿だったんだろう。
この呪物は大量生産して病んだ女性達に届けるとしよう。
材料費ならマナ・ポーションを作ればいくらでも稼げる。
決めたぞ。
エロ魔法道とは男女とも楽しくエロだ。
これを第1条にしよう。
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