12/25
10:00
今週分の仕事を全て終えていた俺はいつもより遅く起きると、あと15分で待ち合わせ予定の七海から連絡が入ってないことに気づく。
俺はすぐに七海に電話してみるも、向こうも寝坊しているのか電話に出てくれなかった。
昼は七海と遊んで夜はそのまま夢衣と一緒に瑠愛さんのクリスマスパーティーに参加してもらおうと思ったけれど、もしかしたら新しい用事が出来たのかもしれない。
そういう時は大概七海は寝坊助になるので、今日もそんなところだろうと俺は水分補給のためにキッチンへ向かうとリビングにはふわもこのパジャマを統一して着て寝ている莉李と夢衣と悠がTVをつけたまま寝ていた。
俺は一人一人ベッドに連れて行こうと、まずは近場の夢衣から抱き上げて体を持ち上げると同時に夢衣の温かそうなゆるいズボンが落ち、下着が見えてしまった。
焦った俺は片手で夢衣を抱いて、もう1つの片手でズボンを持ち上げようとすると夢衣の体重が少し軽くなったのを感じて落としていた目線を上げるととろけた薄目を開ける夢衣が自分で自立していた。
夢衣「…来虎?」
来虎「ごめん。ベッド連れてこうとしたら…」
夢衣「ベッド、いくぅ…。」
と言って、夢衣は寝ぼけてる頭でそのまま歩き出し、俺の部屋に入ると俺の両腕を掴んで背後からベッドに倒れた。
俺はその行動が読めなくて力任せにベッドに落とされてしまった体を起こし、歩いてる途中に脱皮してしまったズボンを取りに行こうとすると夢衣が温かそうな靴下だけを履いている脚で俺の腹を掴んだ。
夢衣「しよ?」
来虎「え?」
夢衣「えっち、しよ?」
と、夢衣は離れかけた俺の腕を登るように自分の体を起こして首にも抱きついてきた。
来虎「し、しないって。ここ、誰の家だと思ってるの?」
夢衣「そういうのはいいの。愛し合う場所は人それぞれ。」
そんな戯言ような本音を漏らす夢衣は俺の耳たぶの部分をしゃぶるようにキスをして、次に首に唇を這わし始める。
俺はそのことに驚き、夢衣の体を支えていた腕を離すと重さに耐えられなかった上半身と一緒に夢衣とベッドに飛び込んでしまう。
夢衣「来虎も触って。もう濡れ…」
来虎「待って。本当に待って。」
俺が必死にそうお願いすると、夢衣はゆっくりと首から腕を離した。
来虎「俺からのお願い。もっと自分を大切にして。」
俺は夢衣と初めて会った日に言ったことをもう一度言った。
すると、夢衣はずっと抱きついていた脚を離してそばにあった枕を抱き寄せて顔を埋めてしまう。
来虎「夢衣なら大丈夫。ちゃんとした恋人を見つけられるから。」
夢衣「……ない。」
来虎「ううん。俺が約束する。だからこういうのは恋人以外としないで。お願い。」
俺はこれ以上夢衣が自分のことを物として扱うような行動をしないようお願いすると、濡れたまつ毛を煌めかせる夢衣の顔が枕から出てきた。
夢衣「しないから…、来虎とはぎゅーしながら寝たい…。」
そう言って小さく夢衣は唇を噛み、今にもまた泣きそうな顔をしてしまう。
来虎「分かったよ。今日はベッドでダラダラしよう。」
俺は枕を抱きしめている夢衣を抱きしめて足で掛け布団をたくし上げ、そのままパーティーが始まる時間までゆっくり体を休めることにした。
環流 虹向/ココのさきには
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます