第2話

中学生ともなれば。

早いやつはもう彼氏、もしくは彼女がいて。

一緒に帰ったり、なんか、休日には

カラオケデートしたりしてるみたいだった。


生憎と。

非モテで冴えない陰キャの

俺は。


勉強とゲームばっかの毎日で。


女子ともろくに喋らず、


ただ、学校と家の往復だけだった。


そんなある日の事だ。

中一のバレンタインデーの日に俺は性格の悪いイケメン野郎とその仲間たち(不良共)に散々揶揄われていた。


「シンジ。お前さ、チョコいくつ貰った??」


「どーせ、ゼロだろ、、wwww」


「見せてみろ、鞄の中w」


学校一のイケメンで。

ジャニーズ系だと、周りの女子が騒いでて、

何でもソツなくこなす男前の藤島くんが、

でも、性格最悪の藤島くんが、

俺の鞄の中を無理やり開けて我先にと覗き込んだ。


「やっぱり一個もないし!思った通りだ...!」


「ほーら見ろ。俺はな、なんと、35個!

かわいい先輩や、美人な先輩、あとな、

若い英語の先生からも貰っちゃったんだぜ...!」


俺の首根っこを引っ掴み。


それから、右手に持っていた紙袋の中に、

俺の顔を押し込んだ。


「....っ!」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る